負の熱膨張示す新物質 化研グループが発見(2009.03.16)

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島川祐一・化学研究所教授らのグループは、サイト間電化移動に伴い、温度低下による熱膨張を示す新たな金属酸化物を発見した。この成果は英国科学誌「ネイチャー」(3月5日発行)に掲載された。

本来金属とは温度上昇に伴い膨張する特性を持つ。島川教授らのグループは、ペロブスカイト構造(ABO3で表される構造)Aサイトが1:3で秩序化した結晶構造、すなわちA’A3B4O12の秩序構造を持つペロブスカイト酸化物に着目した。Aサイトにはアルカリ金属イオン及びアルカリ土類金属イオンなど、AサイトにはCu2+やMn3+など一部の遷移金属イオン、Bサイトには遷移金属イオンが入るが、このときAサイトとBサイトに共に遷移金属イオンが入ることで多彩な物性を発現する。今回発見されたLaCuFe4O12は、原料の酸化物原料を約10万気圧、1100℃の高温高圧条件で合成した酸化物である。高圧合成では、特異な秩序構造や異常高原子価と呼ばれるイオン状態を安定化することができるが、120℃の環境下では、Bサイト(Fe3+)からAサイト(Cu3+)への電荷移動が発生する。このため、温度上昇に伴い体積が等方的に減少する構造相転移という現象や、絶縁体から金属転移へと変わる現象が発生する。そのため、従来の金属化合物とは逆に等方的かつ大きな負の方向への熱膨張が発生する。

この発見により、温度が変動しても金属膨張の影響を受けることなく正確な位置決めが可能である精密光学部品や、熱膨張の違いによる部品剥離の影響を受けない複合・スタック部品などの開発が期待されるという。

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