この街のかたち―学際的京都絵図之巻―(2009.03.16)

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春はあけぼの。暖かくなって、受験も終わり、新入生は期待と感慨を胸に京都という街に新居を構え始めた頃だろう。また、在校生は在校生で、ようやくコタツから出てきて、久々に友人と街に繰り出したい季節である。春は桜の季節。桜といえば京都。こんな心も気候も浮かれる季節には、せっかく京都にいるのだし、京都観光をしようか、という人も多いのではないか。

しかし、実際に京都を観光してみて、「観光した!よくやった!」という実感はどれほどあるだろうか。私自身の経験に照らしてみると、寺をうろうろしたところで、実家の近所にも寺はあるし、京都らしいものを食べたいと思えば、料金に手が届かず、結局食べるのはどこでも食べられる牛丼だったりする。

我々が京都を見るとき、その「京都」は本当に実体の伴った「京都」だろうか。観光をすると言って寺めぐりをする時、我々が見ているのは京都の実像なのか。実像を見るのが観光というわけではない。しかし、寺に行って「京都」が見えるわけではない。「京都」を見るために寺に行くのだ。少なくとも、京都をめぐる人々の念頭にはそのような野心があるに違いない。そのような京都を訪れた誰にも共有され、それでいてまとまった感情になりにくい「野心」に形を与えてみたいと思い、今回このような企画を立ててみた。

「この街のかたち」は、ただの観光ではない、学問的な視点から京都を歩く、そういう京都めぐりの一助となるべく、数人の研究者の方々から、それぞれの専門分野から見た京都の有り様を伺ったものである。本紙編集員が話を聞いてまとめ、実際に紹介された地を訪れることで、京都の重層的な様相をえぐり出すことを狙った。

結果的であるが、話を伺った研究者の方々は、皆「京都の近代」という部分に視点を当てた考察をしている。それぞれ現在に続く京都の様々な側面を論じていただいた。それは近代という普遍性の理念に心を躍らせる興奮と、その陰で捨て去られる京都の特殊性という問題が共存する複雑な態様である。この紙面を眺めることで、読者が京都を考究的視点で眺め、真に実感のある京都観光ができることを願ってやまないものである。


《本紙に写真掲載》




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