タバコの葉に含まれるニコチン輸送遺伝子発見 生存圏研(2009.02.16)

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京都大学生存圏研究所の矢崎一史教授らの研究グループは、タバコの葉に含まれるニコチンを液胞へと輸送するトランスポータ遺伝子を世界で初めて発見、その成果が米国科学アカデミー紀要電子版(1月19日~23日)に掲載された。

ニコチンは植物の生産するアルカロイドの一種。害虫による被害を避ける目的で、主にタバコの葉の液胞に多く含まれている。またニコチンは嗜好品としてのタバコの風味を決定する物質のひとつであり、またタバコ依存症の原因物質でもある。タバコによるニコチンの生産方法として、根で生合成され維管束組織で葉まで輸送されることはわかっていた。しかし、葉まで運ばれたニコチンがどのような機構で液胞に蓄積されるのかについては、はっきりとした研究結果が出ていなかった。

研究グループは、タバコ培養細胞にメチルジャスモン酸を加えてニコチン生産を誘導、同時に発現する遺伝子を網羅的に解析した。その結果、NtJAT1遺伝子がニコチンの輸送遺伝子の候補として見つかった。この遺伝子を酵母で発現させるなどして機能を解析したところ、NtJAT1は液胞膜に多く存在し、ニコチンを含むアルカロイド類を特異的に輸送するタンパク質であることが証明された。

アルカロイドの液胞輸送タンパクの遺伝子が同定されたのは世界で初めて。「今回の研究結果を足掛かりに、今後植物アルカロイドの液胞蓄積にかかわる遺伝子研究が飛躍的に進むだろう」と研究グループの矢崎教授は話す。

応用研究としては、輸送遺伝子のノックアウトなどによる、ニコチンを葉に貯めないタバコ品種の開発が考えられる。ニコチンを含まないタバコが開発されれば、喫煙しながらニコチン中毒を解消できる可能性がある。またNtJAT1はニコチン以外のアルカロイドも輸送できるので、タキソールなどの抗がん性植物アルカロイドを効率的に蓄積し、生産する方法が確立されることなども考えられる。

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