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熊野寮生、走る―。四条大運動会レポート

2008.12.16

12月5日から14日にかけて、熊野寮祭が開催された。京都の冬の風物詩として毎年行われている寮祭だが、今年は例年以上に気合が入っていたという。今回は本紙編集員が四条大運動会の模様をレポートした。(如)

12月7日、午後3時。当初の予定より3時間遅れで仮装行列の集団が熊野寮を出発した。全部で40人くらいか。「ご近所の皆様、今年も熊野寮祭の季節がやってきました」とスピーカーの大音量がこだまする中一路四条河原町を目指す。

鴨川河岸へ

Rマークの自治会旗に率いられ、「寮祭貫徹!自治寮防衛!四条開放!(別に封鎖されていないが)」の掛け声で鴨川河岸を南下する。それにしてもコスプレイヤーが多いなぁ。通行人が少ないことが逆に視線の痛みに拍車をかける。参加者はもちろん寮生のうちほんの一部に過ぎないが、このメンツだけでも私のような外部の者には。現時点で既にこの有様なのだから、これから先一体何が起こるのだろうか。

ラジオ体操@三条河原

そんな事をしているうちに三条河原に到着。実行委員長の開会宣言の後いよいよ運動会らしいことが始まった。隊列が突然広がったと思うと、いきなりラジオ体操を始めた。その場にいた観光客が思わず「あれ何?」「京大だって」と呟いた。ラストの深呼吸が終わる時には橋上から拍手が飛び交った。

ムカデリレー@三条河原~四条河原

最初の競技はムカデ競走。1チーム5人による対戦で、中間地点でリレーを行う。三条河原は悪路であるものの、そんな事はお構いなくずんずん進む。

綱引き@四条大橋

河原から道路に上っても寮生のテンションは下がることはない。そのまま今度は四条大橋の上を陣取り綱引きを始めようというのだ。その場にいた虚無僧に場所の移動をお願いするハプニングも(正確には彼自ら退いた)。綱を引くのは寮生だけではない.その場で頼まれた通行人も参加するのがこの競技のおもしろいところだ.当然だがより多くの参加者を引き込んだ側が有利であるが、1回戦はさすがに通行人も謙遜しているのかほぼ寮生のみの対戦となった。ところが2回戦は状況が一変。先程敗れた西軍に飛び入り参加者が集結したこともあり圧倒的勝利。その勢いで最終3回戦が行われた。試合の結果はと言うと、忘れた・・・。それだけインパクトに残る勝負だったということだ。

パン食い競走@四条河原町

舞台を四条河原町交差点に移し次なる競技が始まった。信号が青に変わった瞬間にダッシュし、横断歩道の先のパンを奪い取る。とはいえ京都屈指の繁華街という事もあり人も車も往来が激しく、なかなかスタートを切れない。寮生が歩道の先頭を陣取った時ようやくスタート。その光景はまるで餌に群がる獣のようだった。

組体操@阪急百貨店前

パン食い競走で疲弊した寮民達は阪急百貨店前を陣取ったかと思うといきなり組み立て体操を始めた。修学旅行に来た女子高校生からシャッターの雨を浴びる。ここで警官隊(といっても2名)が近寄る。「何をしてるんや」「組体操です!」とその場はやり過ごすものの、その勢いでタイタニックのポースなどを決めているとまたしても促されている間に隊列はピラミッドを作り上げていた。最後は大学に通報するぞ、と怒鳴られるが権力反対のシュプレヒコール(一部だったが)が起こる毎度の展開で終わった。

棒倒し@四条河原

辺りがすっかり暗くなる中最後の競技である棒倒しが行われた。当初は鴨川を挟んでの対戦となる予定であったが、それもどうやら日和見だったらしく礫転がる左岸で実施されることに。「うぉぉぉぉぉおおおお!」「アッー!」ラストの競技だったこともあり思ったように体が動かない。それにしても、ここまで寮生の奮闘を見てきた私はこの石剥き出しの地面でよくやるものだと感心すらしてしまう。おバカな事が出来るのも一種のセンスなのであろう。最後に実行委員長の挨拶で締めくくられ、隊列は北進を始めた。この後行われる京都駅大階段グリコは一度寮に戻ってから行われることとなった。(実際には皆疲れており次週の開催となった)

《本紙に写真掲載》

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