未分類

オリンピック・オーク

2006.05.01

農学部グラウンドの片隅に、オリンピック・オークと称される一本のドイツ柏がそびえている。今はまだ葉を落としたままだが、もう直には、グラウンドで汗を流す選手たちに休息の木陰をもたらすだろう。空高く枝を伸ばした姿は、堂々たる風格を湛える。
第十一回オリンピックベルリン大会(一九三六年)において、京都大学出身の田島直人選手が、三段跳決勝で十六m〇〇の世界記録を樹立し、見事優勝を果た した。オリンピック・オークは、その栄誉をたたえ、金メダルとともに贈呈されたもの。また同決勝では、同じく京大出身の原田正夫選手が準優勝を果たしてい る。
鉢植えのドイツ柏がこれほどの高木に育つまで、どれだけの選手がここから輩出されていったのか。オリピック・オークは、京大陸上競技部蒼穹会の栄光の象 徴でもある。グラウンドで練習に励む選手たちの中から、次のオリンピック選手が、そして次のメダリストが出るのはいつのことだろう。オリンピック・オーク は、静かにその歴史を見守り続ける。

オリンピック・オーク