博士課程に経済的支援 授業料負担ゼロへ 理学研究科(2008.10.01)

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京都大学理学研究科は9月2日、博士後期課程学生を対象に年額60万円以上の経済的支援を本年8月分から実施すると発表した。研究科が独自に学部生・院生に経済支援を行うのは京大では初めて。今年度より東大、東工大などで博士後期課程の授業料負担を実質ゼロ化する措置がとられており、この動きに呼応したかたちだ。

発表によると、「博士後期課程に伴う経済的負担を懸念することなく勉学に専念できるようにし、すぐれた研究者を育成する目的から必要」として7月17日の教授会で承認された。具体的には、原則的に協力講座所属学生を除く博士後期課程1~4回生(以下、D1などと表記)を対象とし、月額5万円以上を支給する。 京大の授業料が学部・院とも一律年額53万5千800円(ただし法科大学院は80万4000円)であるから、授業料相当の支給となる。支給を受ける学生はティーチング・アシスタント、リサーチ・アシスタントとして雇用されるかたちとなる。現在のところ、D5以上及び協力講座所属学生への支給は各専攻の調整次第となっているが、協力講座における経済的支援の全面実施も検討されているという。

同研究科は今回の支援措置の財源にグローバルCOEなど競争的資金制度で獲得した資金を活用していると説明。5つの専攻のうち、化学と生物科学はそれぞれ一昨年、昨年にグローバルCОEに採択されており、すでに博士後期課程への経済支援措置を実施していた。

本年度、あらたに数学と物理学専攻がグローバルCOEに採択され、理学研究科の博士後期課程全体への一律支援に踏み切った。

08年5月現在、理学研究科の博士後期課程在籍者は518人(ただしD5以上も含まれる)であるから、年間の予算規模はおおよそ3億1千万円程度になるとみられる。

理学研究科の坂本安行氏(総務・学務室長)は、この措置を巡る動きに関して「本来は大学全体で博士課程支援がなされるべき、として3月頃から部局長級の会議で他研究科への働きかけを行なってきたが、なかなか難しいということだった。理学研究科は今年新たに2つのCOEをとれたこともあり、単独で踏み切るに至った」と話す。

評判はどうか。博士後期課程進学を控える理学研究科修士2回生は「ティーチングアシスタント・リサーチアシスタントの給料上昇は素直に嬉しいし、学術振興研究員採用者と被採用者の格差が縮まるのはいいことだと思う」と歓迎する一方、「ただし、COE自体は歪みの多い制度なのでもう少し長期的視野に基付く制度を導入しないと、リスクだらけの博士進学という問題の根本的な解決にはならないだろう」と冷静だ。

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