渋滞はなぜ起こる? 京大生の足、自転車(2008.07.16)

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7月に入り、梅雨が明けた。とにかく蒸し暑い。蒸し暑い中、横断歩道を待つのは苦痛である。だからと言って信号無視を正当化する理由にはならない。正午のルネ食堂前には毎日のようにこの葛藤が見受けられる。「京大生の足」とも言える自転車での移動は、便利である反面その効率性から交通ルールの無視につながりやすい。今回は「京大生と自転車」をルネ前の葛藤から見ることで、しばしばなされがちな交通ルールの逸脱は交通環境の不備によるものではないのか考えてみたい。(麒)




正午目前のルネ前。時鐘がなるにはまだ5分ほどあり、人通りはまばらである。しかし、待つこと10分、時鐘が鳴り、昼休みに入って5分ほど経つと、おびただしい数の自転車・歩行者がルネ前の横断歩道に群がった。しかし、信号はなかなか青にならない。ルネ前の信号の長さはしばしばささやかれるところである。今回、この横断歩道に対する実態調査を行い、実際のところ長いのか短いのか検証してみた。

グラフにわかる通り、12時2分~15分にかけての自転車数は目を見張るものがある。さらに、歩行者の人数はむらがあるものの、やはり12時5分頃に群衆はピークを迎え、自転車・歩行者を合わせると一クラスほどの人数になり、キャンパス側の坂にあふれて待つかたちになった。この原因として、信号の長さ、歩道の広さの二点の要素を見てみよう。

信号


ルネ前の信号が長いというのは、しばしば言われることである。実際はどうか。ルネ前の歩行者信号の赤色の時間は120秒であり、青信号の時間は20秒。信号時間の長さについて京都府警交通課信号係に問い合わせたところ、一般に大通りの時差式信号については通りにある車両感知機が交通車両数から自動計算して時間を算定している。ルネ前については、大通り間の中間地点であることから、百万遍交差点と東一条交差点の感知機と連動することで、交通量を察知し、時間を算定する。従って、百万遍、東一条とおおよそ同じ間隔の設定になっているといってよい。

横断歩道を渡れる時間に関しては原則として健常者が1m1秒で歩くと想定し、20mの横断歩道に約20秒当てるというようにしている。さらに、ルネ前の信号に関しては、夜間押しボタン式になっており、15時頃から変換される。押しボタン式では、押してから11~20秒に変化する。この場合は大通りとは連動しない。身体の不自由な人のために設定を変えられるタイプと変えられないタイプの制御機がある。

府警は府全域の信号を管轄しており、信号機の設定は要望に応じて変えられるという。しかし、府警は府下3000以上の信号を管轄しているため、なかなか個々の要望どおりの設定にあわせるのは大変ということだ。従って、地元の町内会などが陳情し、実態調査をして変えるということもしばしばあるそうだが、全体的に理想的な設定にしているとは言いがたいという。ルネ前もあまりに混雑がひどいなら考える余地があるということだ。

歩道


混雑の一因として歩道も検証の余地がある。

京大前の東大路通りの歩道の幅は花壇のない場合で350cm、花壇のある場合で258cmある。自転車の長さが縦約1m、横は人が乗って45cmと考えれば、横に二台連なって走るだけで道の半分は埋まり、ましてや、横断歩道を待つ際に歩道を阻害する形で縦に止まれば、通行は滞る。

中央キャンパス側で歩道渋滞の緩和的役割を果たすのが、総合博物館に続くタイルスペースである。このスペースの幅は358cmあり、横断歩道前に限って歩道は二倍の広さになる。しかし、中央キャンパス側の坂から降りてくる人のことを考えると、この踊り場に群がるのは逆に迷惑というものだ。坂から降りてくる自転車はスピードを落とせないからだ。結局のところ、横断歩道に迫る形で待つのが一般的だが、やはり歩道交通の阻害要因になってしまう

市内一般に関して、現行の歩道の幅は妥当とされているのか、京都市道路交通局に話を聞いたところ、ちょうどそれは国土交通省の直命により現在調査中であるという。京都駅の存する七条通りから祇園を抱える四条通りにかけてをモデル地区に設定して歩道状況を調査し、市内の抜本的な歩道整備の礎にするのだそうだ。

しかしながら、現行の歩道整備、特に歩行者と自転車の区分けに関してはまだまだ未整備であることは認めざるを得ないという。たとえば、自転車の多い通りに関しては色分けによる自歩の分離の使用(百万遍から北大路にかけて使用例)が方策として立てられるが、市内の整備必要箇所の調査については実態に追い付いてないのが現状だという。ただし、市内全域が統一規格的な歩道整備をされたわけではなく、それなりに実情に応じた設定はなされているらしい。現況はそのフィードバックを集める段階にあるようだ。さらに、実態調査はするものの、その方策として歩道を広げるという手段に関しては、通りの広さを根本的に修正する必要が生じるため、あまり現実的には難しい。

以上のように、歩道整備はまだまだ発展途上の過程にあるが、しかしながら、どれほどの改善がなされたところで、歩道環境の抜本的な変化にはつながりにくい。おそらく、なされても横断待機スペースが色づけされる程度だ。我々が最低限の交通ルールを守るという姿勢を示さない限り改善の余地はないと言える。

ルネ前の交通ルールは維持されうるか。結論からいえばされうる。

まず、道路整備の検討から見えてくるのは、道路整備事情の複雑な実態である。横断歩道という問題を考えたときに、そこには待つ人の特徴、信号機、待つ場所、様々な要因が勘案されうる。しかし、横断歩道問題を考えようとすると、とたんに様々な管轄の壁が見えてくる。信号機は警察であり、歩道は市役所である。どちらも市民の声を聞くという姿勢があるのだから、もう一歩進んで、信号機の長さ、歩道の広さを総合的に考える場を用意してもいいのではないか。交通量調査などから統一的に考える上からの目線でなく、利用者の具体的な声を聞くミクロな姿勢が必要である。その上で、踊り場の拡大、花壇の縮小、ルネ前信号機を百万遍、東一条の系列から分離するなどの施策がなされうる。

とはいえ、いくら改善をなしても、信号を待つ時間があり、歩道いっぱいに横に広がってはならない。最後にありきたりであるが、やはり信号はきっちり待とう。

《本紙に写真・グラフ掲載》

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