吉田寮祭 編集員のルポルタージュ(2008.06.16)

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◆仮装決起

5月28日(水)午後2時、思い思いの仮装に身を包んだ寮生10数名が吉田寮受付を出発。吉田寮祭の祭歌や「寮祭貫徹!」などのシュプレヒコールを上げ、構内を練り歩いた。学生センターで東山副学長に寮祭カンパのお礼をした後、本部事務棟に行き総長との面会を要求(東京出張中との事で残念ながら実現せず)。吉田寮OBの伊勢田准教授(文学部)が教える「科学哲学」への突入&寮祭PRを敢行した。カンフォーラでの燃料注入で勢い付いた一団は更に吉田南4号館に突入。「偏見・差別・人権」「西洋史学基礎論」に乱入し寮祭のPRを行った。

◆バニーズバー

寮祭期間中、時計台前クスノキの下に人の集まる空間ができた。Bunny’s Barはクスノキ下のスペースを利用したバーだ。必要な電力は、カンフォーラに提供を受けた。京大の象徴ともなっているクスノキに包まれ、快い時間が流れていた。また、クスノキには区民の誇りの木という立て札も立てられているが、店主は「立て札が邪魔。そもそも勝手に誇らないでほしい」などと話していた。立て札は抜かれていたかもしれないが、記者も飲酒をしていたため、記憶が判然としない。

◆ヒッチレース

深夜未明、ヒッチレースが幕を開けた。1.挑戦者はお金・身分証明書を一切持たない状態になる2.挑戦者は先輩の車でどこか見知らぬ土地に連れて行かれ降ろされる3.その場から挑戦者は自力で吉田寮まで帰還しなくてはならない、という電○少年を彷彿とさせる過酷なルールが設けられ、優勝は到着までのタイムと土産話の面白さで決められる。

決して自転車を盗まないなど注意事項を確認した後、3台の車に分乗。記者も含めた7名は夜の京都を出発し、岐阜の山中・長良川河口・徳島・琵琶湖の島と各地に配置された。

淡路島からスタートしたAさんが最初の一台で見事ホールインワンを果たし、1着(午前10時30分)でゴールイン。本人曰く「もっと苦労をしたかった」。他の参加者も同日夕刻までに全員無事帰郷した。ちなみに長良川河口で下ろされた記者は仮眠を取っている間、蚊に7箇所も刺されてしまい、痒みと格闘する日々を過ごすこととなってしまった。

◆鴨川レース

6月1日(日)寮祭のラストを飾る企画として行われたのが、毎年恒例となった「鴨川レース」。各々仮装した参加者は三条大橋~デルタ間を川の流れに逆らいながら疾走した。当日は初夏を感じさせる晴天で絶好のレース日和。多くの市民や観光客から奇異の視線を受けながら記者を含めた10数名はスタートした。  始めは水のひんやりとした感触に心地良さを感じたものの、ある参加者の「5秒で飽きる」の言葉通り、予想以上に急な流れが参加者を襲う。水を含んで重たくなった仮装衣装をまとって川を逆行するのはもはや苦行。中心市街地から離れ、見物人も殆ど居なくなって来ると、なぜ鴨川を走っているのかが次第に分からなくなり、そこはかとないむなしさを感じるに至った。

◆吉田寮祭芝居

人はカメムシである。
カメムシでない人間などいようか。

5月某日の夜、吉田寮食堂。
吉田寮芝居は、寮祭恒例となっている。
観客として集まった人の数、なんと80人。
会場に収まり切るはずもなく、立ち見となった。
この日の主役は、「カメムシ男」。
男は日常の息苦しさから逃れるべく、カメムシと化した。
当然家族も心配するが、男が発する異臭には耐えられようもない。
挙句の果てに近所のおばちゃんに通報され、警察沙汰になってしまう。
だが、男は自らの現実と戦うことで最後には真の自由を手にするのだった。

素人役者たちには盛大な拍手が送られた。
最後に観衆からカンパを恵んでもらったのが寮生らしい一コマだった。

◆鴨川を駆けた編集員

時は西暦2008年。前日の曇り空が嘘のように初夏の陽気が心地良い千年の都、京都。悠久の時を刻み、この地を流れ続けてきた鴨川は三条大橋…多くの家族連れや観光客でにぎわう中、戦士たちは自身の全てを賭すべくこの日やってきた…

サンタクロース、覆面、アフロ、メイド…日常性からの解放。「京都大学吉田寮です!ただ今より鴨川レースがスタートいたします!偉大な選手の皆さんに拍手をよろしくお願いします!」。高らかに宣言するも、まばらな拍手。むしろ奇異なものでも見るかのような冷たい視線が胸に痛い。 

冷たい!暑さもあって水の冷たさが心地良く感じる。ラジオ体操で体をほぐした後スタート。しかし、鴨川はそれほど深さがない分流れが速く、油断していると靴をさらわれてしまう。それまで膝くらいまでしかなかった水深が急に肩まで上がってくる。体の身動きが取れない!!慌てて手をばたつかせる。浅瀬に上がろうとするもバランスが取れず、何度も転ぶ。すると勝手に体が流される。危ない!必死に両手が傍の水草を鷲掴みにする。水から脚を出す際の抵抗が激しいため、余程浅いところでない限り足の回転を遅らせ、大股で歩くことにする。もう少しでTOP?河岸から「今だ!抜かせ!」の実況中継が聞こえてくる。

川に入って遊んでいる子供が居た。軽く会釈。見てはいけない物を見るかのような視線が突き刺さる。彼らは目を丸くしたまま、一言も言葉を発してはくれなかった。

デルタ手前、橋が視界に入ってくる。もう少しでゴールだ!脳内ではZARDの『負けないで』がリピート再生される。皆がスタジオ(デルタ)で私を待っている!限界に達した体力とは裏腹に、脳内で妄想の世界が拡大を続けていく。

「なぜ走るの?」「なぜコスプレなの?」「あなたからコスプレとレースを取ったら何が残るのかしら?」

ゴール!!息が切れる。思わず座り込んで噎せ返ってしまう。ドリンクを一気飲みするとこれまで感じたことの無い高揚感が湧き上がってきた。遂に私は鴨川に勝ったのだ!!約一時間の決死行はこうして終わりを迎えた。蝶ネクタイとシッポという大きな犠牲が払われることにはなったのだが。小さな子供たちが水しぶきを立てる中、鴨川は傾き始めた日の光を反射してうらうらと輝いていた。きっと1万年と2千年経ってもこの流れが耐えることは無いのだろう。来年もまた、新たな戦士たちが立ち向かってゆくはずである。(魚)

《本紙に写真掲載》

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