霊長類研 元所長ら、再編の見直し主張 人材育成・共同研究の停止を危惧(2021.12.01)

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京大が、霊長類研究所を事実上解体して新センターに再編する方針を発表したことを受け、11月16日、元所長の杉山幸丸・京大名誉教授を代表とする「霊長類学および関連分野の研究者有志の会」が会見を開き、再編計画の見直しを主張した。「有志の会」は、霊長類研で行われてきた人材育成および国際的な共同研究の成果を強調したうえで、再編で学問領域が分断され、それらの機能が停止しかねないと危惧を示した。

「有志の会」はWEB上で再編撤回を求める署名運動を進めており、会見では署名サイトでの主張を補強して反対の意志を表明した。黒田末寿・滋賀県立大学名誉教授は、教員定員35名のうち今年度中に定年退職する3名を含めた計11名の空き定員の募集に関して京大から発表がないことを指摘し、再編の目的が人員削減による財源の捻出にあるのではないかと疑念を呈した。現在霊長類研には、教授などの教職員を除き56名の大学院生・研究者が在籍しており、人員削減や人事凍結で教育機能が停止することを強く懸念しているという。

さらに「有志の会」は、霊長類研には専門の異なる研究者が日常的に顔を合わせる環境があり、それが学問領域をまたぐ共同研究や総合的な研究能力を持つ研究者の育成につながってきたと述べた。10月26日の会見で湊総長が「霊長類研は所内の連携が極めて希薄」と述べたことには「事実の誤認がある」として、フィールド系と脳科学系が一体となった所属体制の維持を求めた。

再編計画の背景には、霊長類研で発生した正高信男・元教授による論文不正および松沢哲郎・元特別教授らによる研究費の不正支出がある。これについて「有志の会」は、「不正はあってはならないこと」として謝罪し、研究の姿勢や研究所の運営体制について、大学に強制されず研究所自らが検証する必要があると述べた。

署名運動の賛同者数はすでに3万人を超えている。京大に署名リストと要望書を提出する日程は未定だという。

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【杉山幸丸・京大名誉教授ら=キャンパスプラザ京都】

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