図面から思索の軌跡をたどる 総合博物館企画展 「増田友也の建築世界」(2021.11.16)

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京大総合博物館は10月27日から、企画展「増田友也の建築世界―アーカイブズにみる思索の軌跡」を開催している。建築家である増田友也が残した、大量の図面や研究ノートのほか、増田が設計した各建築物の模型を見ることができる。

京大で教鞭を執りつつ、1950年代から70年代にかけて建築家としても活躍した増田は、禅僧の道元やドイツの哲学者ハイデガーの思想を建築に取り入れるなど、独自の哲学的な建築論を生み出した人物として知られる。増田が手がけた建築物は京大のキャンパスにも残っており、総合体育館や総合研究8号館がそれにあたる。「京都大学研究資源アーカイブ」の事業によって増田に関する資料が整理され、一部がウェブサイトで公開されることを受け、今回の企画展では、増田の生涯にわたる建築活動を紹介している。

増田の建築における2つの側面として、理知的な古典主義と表現的なロマン主義が挙げられるという。東山会館(1964年)では正面の壁面と中庭の対照によって理知的な空間が生まれている一方で、京大会館計画案(1964―68年)では吊り屋根をはじめとする表現性の強い構造が考案されている。大量に並ぶ図面から、こうした増田の建築における思索の軌跡をたどることができる。

1960年代に京都タワー建設を巡る景観論争が起こるなど、景観保全が叫ばれる社会の中で増田は、「風景」という言葉を用いて建築の在り方を模索したという。増田の遺作となったのは、本企画展第4章の最後に図面が展示されている鳴門市文化会館(1982年)であり、垂直にルーバーが立ち上がる様子が「風景としての建築」を表しているとされる。企画展実行委員長の田路貴浩・工学研究科教授は「鳴門市文化会館は、増田の集大成と言えるだろう」と話している。

企画展は12月12日まで開かれる。開館時間は三部制を取っており、入館には事前予約が必要だ。月曜日と火曜日は休館で、入館料は一般400円、高校・大学生300円、小中学生200円、京大の学生は無料。(凜)

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