文化

’08 就職を読みとく ドクターと企業の出会い 企業交流フェスティバル開催

2008.03.16

京都大学キャリアサポートセンターは2月26日、文部科学省から「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」に採択された「京都大学若手研究人材キャリアパス多様化計画」の一環として、連携協力機関である株式会社D・F・Sと共に、ドクター向けの企業交流フェスティバルを開催した。

交流会は13時半から京都会館にて行われ、京都大学のほか同志社など関西にある大学から、院生及び博士号取得者がおよそ30人集まった。参加者は企業ごとに用意された机を20分ずつ回り、熱心に担当者の話を聞いていた。

新卒者や社会経験のある第二新卒者とは異なり、博士課程修了者は就職するのが困難な現状にある。伸び白のある若い人材を企業が欲しているのも事実だが、院生の就労意識を問題視する企業もある。「大学で長く研究している人は体系的に物事を考えがちだ。企業では、今ある問題に動きながら対処しなくてはいけない。学校での経験と会社での経験ははっきり違うという意識を持ってほしい」

今回の交流会開催に協力した株式会社D・F・Sは、博士課程修了者に対して、アカデミックポストでなくとも、大学で得た能力を活かして仕事ができることを強調したい考えだ。専門知識をそのまま企業で活かせることは稀だとしても、大学での研究に必要なコンピュータ処理の方法や論理的思考力などは、企業での研究にも十分有意義なものである。企画営業部の井上さんは「このような企業交流会を開催することで、ポスドク問題など大学院生の抱える問題を解決に導くことができれば」と話す。

【京都大学若手研究人材キャリアパス多様化促進計画(Kyoto University Career Path=KUCP)】

博士号取得者を始めとする若手研究者のキャリア支援を目的に、2007年度より文部科学省の委託事業として開始された。ポスドクの進路相談への対応、企業への求人開拓、企業とポスドクの交流機会の拡大を主軸に据える。

《本紙に写真掲載》