近現代の京の宝がそろいぶみ 「モダン建築の京都」(2021.10.16)

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9月25日から京都市京セラ美術館で、開館一周年を記念した企画展「モダン建築の京都」が開催されている。かつて東京遷都により衰退した京都には、復興し文化的発展を遂げる過程で、数々の優れた近現代建築が生まれた。本展覧会ではその中から36の建築物やプロジェクトが選ばれ、7つのセクションを通して紹介されている。

建築物はそれぞれに大きな解説パネルがひとつ付されており、様式や装飾などの特徴はもちろん、設計者のプロフィールや建築物の住所、一般公開の有無まで記載されている。関連資料も幅広く、例えば1つめのセクション「古都の再生と近代」で取り上げられた平安神宮では、設計図や模型に加え、内国勧業博覧会時の写真帖も展示され、建設当時の様子をうかがうことができる。

紹介される建築物の中には、京大に関連する施設も多い。北白川にある旧外務省東方文化学院京都研究所は、人文科学研究所の東アジア人文情報学研究センターとして利用されている。スペイン人がアメリカに伝えたスパニッシュ・ミッション様式の建物で、和風の色合いをしたスペイン瓦が特徴的だ。内部の装飾は、外観以上に華やかで意外なほど美しい。また、花山天文台は半球や円柱、直方体といった幾何学的形態を組み合わせた独特の構造だ。1920年代から流行した、合理性を追い求めるモダニズム建築の影響だという。

さらに、京都市外の建築にも触れることができる。「和と洋を紡ぐ」のセクションで取り上げられる聴竹居は大山崎町にあり、建築家で京都帝国大学の教授も務めた藤井厚二の5軒目の自邸だ。藤井は椅子を使った欧米式の生活を想定したうえで、日本の気候風土に適した住宅の在り方を模索し、聴竹居を建てた。読書室や客室といった居住空間は、壁ではなく床の段差や家具で分けられているという。空気や光、生活する人間の行為の流動性を重視した造りが魅力的だ。藤井の著書の自筆原稿や自作の陶芸作品も合わせて展示されており、建築それ自体だけでなく、そこで生活した人の息吹を感じとることができる。

ほかにも、同志社礼拝堂などのミッション建築や、駒井家住宅や無鄰菴といった住宅群など、多種多様なモダン建築が立ち並ぶ。紹介されているモダン建築の中には、会期中の特別公開を行うなど、本展覧会との連携企画に参加しているものもある。まち歩きさながらのこの企画展を出発点に、京都というまち全体を会場とする展覧会へと、繰り出してみるのもおもしろい。会期は12月26日まで。観覧料は一般が1900円、大学・専門学生が1400円、高校生が900円、小・中学生が400円となっている。(凡)

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【藤井の陶芸作品。聴竹居と同様温かな作風だ】

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