カワラハンミョウの体色 砂色と類似 保護色の進化過程解明へ(2021.01.16)

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理学研究科の山本捺由他・博士課程学生、曽田貞滋教授の研究グループは、昨年12月16日、日本各地に生息するカワラハンミョウの体色が、それぞれの生息地の砂色と似ていることを発見したと発表した。今後、保護色の進化過程について、さらに研究が進むことが期待される。

保護色とは、天敵から身を守るため背景色と似せた体色のことであり、多くの動物で観察されてきた。しかし、これまで体色と背景色の一致性や効果、その進化過程の研究はあまり行われてこなかったという。カワラハンミョウは、日本広域の砂地に生息する甲虫で、黒地の翅の白い模様が生息地により異なり、各地の砂色に類似した体色を持つ可能性が考えられていた。本研究グループはその点に注目し、保護色の研究を行った。

本研究グループは、日本各地からカワラハンミョウと砂を採集し、画像解析により翅の色と生息地の砂色が似ていることを発見した。これは、カワラハンミョウの天敵である鳥類にとって識別しにくいと推測できるくらい似ていたという。また、体色の異なるカワラハンミョウの模型を作って野外に設置したところ、背景の砂色に近い模型の方が鳥類からの襲撃が少ないことを観察した。以上の結果より、カワラハンミョウにおいて自然選択が起こり、背景色と似た保護色が進化したことを示した。さらに、遺伝子解析を実施したところ、カワラハンミョウが生息地を広げる中で、生息地ごとの砂色に似た体色が進化したことが示唆された。砂色が体色に大きく影響しているのに対し、各地の気候条件の体色への影響は見られず、カワラハンミョウの体色進化において、保護色によって天敵からの襲撃を回避することが重要な要素であると分かったという。

本研究グループは報道発表の中で、「今回の研究成果が少しでも身近な自然に興味を持つきっかけとなることを願う」とコメントしている。本研究成果は、国際学術誌「英国王立協会紀要B」に掲載された。

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