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第1回湯川・朝永奨励賞 勝又准教授ら4名

2008.06.01

湯川・朝永奨励賞委員会(委員長=尾池和夫)は5月13日、第1回受賞者を勝又直也・京都大学人間・環境学研究科准教授(37)、望月拓郎・京都大学数理解析研究所准教授(35)、小早川高・東京大学特任助教(34)、小早川令子・科学技術振興機構さきがけ研究者(36)の4名とすることを発表した。授賞式は6月中旬、時計台を予定。賞状・楯と副賞(50万円)を授与する。

湯川・朝永奨励賞は、湯川秀樹・朝永振一郎両博士の生誕百年を記念して京都大学が設けた。分野を限定せず、40歳以下の独創的な研究者へ与える。「湯川氏・朝永氏を継続的に顕彰する」(佐藤文隆・湯川財団理事長)ことも目的の一つ。業績単位で毎年2件を選定するが、第1回は広く認知させる目的などで3件4名への授賞となった。

京都大学の専任教員で構成される同賞審査委員会が、学内外からの推薦をもとに事前審査。その後、上部組織の同賞委員会が審査結果を参考に授賞者を決定する。同賞委員の九後太一・基礎物理学研究所教授は「新しい分野へ果敢に挑戦する、若い研究者を奨励したい」と話す。

今回の授賞のきっかけとなった業績はそれぞれ、勝又氏が「中世ヘブライ文学を中心とした地中海・中東の比較文学・比較文化研究」、望月氏が「ツイスターD-加群と半単純偏屈層の研究」、小早川夫妻が「哺乳類の匂いに対する行動を先天的に決める神経細胞の発見」としている。