【検証 京大のコロナ対応《続編》】課外活動 徐々に対面再開も課題多く(2020.12.01)

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新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の生活は様変わりし、大学の役割・あり方も問われている。本特集では、前号に続いて、京都大学における対応を検証する。今号は、学内全体の活動制限の変遷を振り返った上で、課外活動団体の実情の可視化を図る。(編集部) 

※大学の出す「課外活動自粛要請の限定的緩和について」の変遷↓
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目次



    論点⑥ 活動制限の緩和 国や府の方針をふまえ
    論点⑦ 課外活動団体の対応
    《学内団体アンケート》
    《各組織・団体の実情》

論点⑥ 活動制限の緩和 国や府の方針をふまえ


5段階の活動制限
4月以降、京大では学内全体に活動制限を設け、授業、課外活動、研究活動、職員の勤務形態などについて、レベル1〜5に区分けして感染症対策を定めた。制限レベルの更新について京大は、本紙の取材に「政府や京都府の方針、感染状況を総合的に判断する」との方針を示している。

「休業要請」受け制限
感染拡大を受け、日本政府が緊急事態宣言を発出したほか、4月17日には京都府が大学にも「休業要請」を出した。こうした状況をふまえて京大は制限基準をレベル3とし、課外活動の停止を求めたほか、対面授業の休講や新規研究の停止などの措置を取った。

制限の緩和へ
政府が緊急事態宣言を解除した5月21日以降、各都道府県が大学への制限を順次緩和した。京都府では、学生数の多さを考慮し、独自のガイドラインを策定した上で28日に緩和した。府は各大学に対し、ガイドラインに基づいて授業再開に向けたマニュアルを作成するよう求めた。京大は5月22日時点で一部の活動制限を緩和した。また、同時期に政府が首都圏との往来の自粛要請を解除しており、その経過を2週間見た上で、6月19日に制限基準を引き下げ、一部の専門科目で対面授業の実施を可能とした。7月上旬には制限をさらに緩和し、一部の課外活動を認めたが、21日、課外活動に参加した学生とその接触者から5名の感染が判明したことを受け、制限基準を再び引き上げた。

国、対面拡大を求める
他方、7月27日に文科省が各大学に対し、後期は遠隔と併用で対面授業を実施するよう求めたほか、8月5日には京都府が同様の趣旨で大学向けのガイドラインを改定した。これらの方針や感染状況を考慮し、京大は8月26日と10月1日に制限を緩和した。12月1日現在、レベル1としている。

対応の模索続く
京都市内の小中学校では、春先の一斉休校を経て6月15日から全面的に授業や部活動を再開した。一方、大学は秋以降も段階的な緩和に止まっている。10月16日には、文部科学省が授業状況を再調査すると表明し、対面形式の割合が半分未満の場合は大学名を公表して説明を求めるとしている。これに対し、一部の大学の学長などから、オンライン授業への手応えや対面授業拡大への不安の声が寄せられた。11月20日の記者会見で萩生田光一・文部科学大臣は、入構したことがない新入生がいることなどに触れ、「学生の納得度を上げてほしい」と述べた。

府内では、11月17日に過去最多となる49人の感染が判明するなど感染者数が増加傾向にあり、先行きの読めない状況となっている。年明けには共通テストや一般入試も控えており、各所で対応の模索が続く。

学生からのはたらきかけも


学生生活にも様々な影響が出る中、学生からの働きかけも行われている。京都大学の学生有志は4月28日、経済的に困窮する学生への支援を大学に求めるべく、一部の教職員と共に署名活動を開始した。5月1日には第一次集約、同月22日には第二次集約として、計514筆の署名を大学側に提出し、学生に対して一律の給付金を実施すること、生活が困難な学生には緊急一時金制度を適用することなどを要請した。署名と合わせて、「施設の使用ができず学費に対する見返りが低い」、「給付型の奨学金が不十分で不安だ」などのメッセージが寄せられている。一方、京都大学は5月20日に緊急学生支援プランを発表し、緊急給付型奨学金の創設や、授業料免除の拡大を打ち出した。

大学として手探りで対応を検討する中で、学生の声を反映させようと取り組む例もある。名古屋大学医学部では、感染の拡大を受けて3月中旬に設置されたワーキンググループに学生が参加し、教職員とコミュニケーションをとりながら授業方針の検討にあたったという。具体的には、対面授業や実習の代替措置について、学生独自の視点から意見を提案したほか、インターネット環境に関する調査結果のとりまとめを行った。さらには、補講となる臨床実習を夏休みに計画した。情報誌「ドクタラーゼ」の取材に対して、名古屋大学大学院医学系研究科総合医学教育センターの錦織宏教授は、学生が医学教育に主体的に参加する重要性を指摘し、コロナ禍にある今こそ「学生と教員がもっと有機的にコミュニケーションをとれるようになってほしい」と述べている。

《参考》休学の要件 --学生の選択肢--


感染拡大の影響により、様々な事情で大学に通うことが困難になった学生が取りうる選択肢として、休学が挙げられる。

休学制度について京都大学通則では、「疾病その他の自由により、3月以上修学を中止しようとするときは、所属学部長の許可を得て、休学することができる」、「休学は通算4年を超えることができない。」と定めており、これに基づいて各学部が運用している。各学部の教務掛やホームページによると、法学部以外の9学部では、ほぼ同じ様式の休学願を用いている。休学を願い出る理由を記入する欄の選択肢には、▼留学・就職・資格試験の準備のため、▼経済的事情、▼修学意欲の喪失、▼病気・障害などを挙げている。指導教員などの承認を得て願い出ることで、可否が判断される。

一方、法学部では、「個別の事情を踏まえて対応する(教務掛)」としたうえで、原則として留学か病気による休学しか受け付けないという。

この運用を問題視し、法学部学生自治会が休学要件の緩和などを求める要望書をまとめ、8年ぶりに学生投票を実施した。その結果、定足数を満たして成立し、要望書が賛成多数で可決された。11月17日に提出し、受理された。法学部学生自治会は11月30日を回答期日としていたが、12月1日朝時点で回答を得ていないという。

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論点⑦ 課外活動団体の対応《学内団体アンケート》


新型コロナウイルス流行以降の課外活動の実施状況について、本紙は学内団体を対象にアンケート調査を実施した。実施方法の詳細は以下のとおり。

11月9日から11月20日にかけてGoogleフォームを用いて実施した。アドレスを取得できた240の団体にメールで依頼し、公認40団体、非公認11団体、計51団体の回答を得た。依頼の連絡が行き届いていない団体や回答を得られなかった団体があり、回答率は公認団体で全体の約2割にとどまっている。非公認団体は全容を把握するのが困難である。また、団体としての回答を依頼しているが、個人の感覚に依存する設問もある。そのため、統計的な厳密性に欠けるが、学内団体の現状を可視化することに主眼を置いて実施した。

設問と回答


1. 団体について
団体名 ※重複回答を防ぐため必須回答としたが、個別の団体名は同意を得ずに出さないこととした。
構成
京大生のみ 11 他大生も所属 38
分類
公認 40 非公認 11

2-1. 4月〜6月の対応
主たる活動はすべて停止 22(43%)
オンラインでの活動のみ実施 28(55%)
対面での活動を継続 1(2%)

2-2. 7月以降の対応
《公認》
主たる活動はすべて停止 7(18%)
オンラインでの活動のみ実施 13(32%)
大学に届け出て対面での活動を実施 20(50%)
《非公認》
主たる活動はすべて停止 5(45%)
オンラインでの活動のみ実施 5(45%)
対面での活動を継続・再開 1(10%)

2-3. 対面実施と回答の団体へ
《非公認》再開の判断理由(複数回答可)
・要請の内容を把握していなかった 0(0%)
・非公認であるため、自主的に判断 3(75%)
・各種大会等への参加のため再開した 0(0%)
・感染状況を踏まえて問題ないと判断 2(50%)
《公認》再開の時期
7月 3(15%)9月 6(30%)
10月 7(35%)11月 4(20%)

2-3. 活動停止/オンラインと回答の団体へ
《公認》再開に至らない要因(複数回答可)
・要請の内容を把握していなかった 0(0%)
・感染リスクへの不安がある 0(0%)
・条件などに受け入れがたい点がある 15(75%)
・課外活動施設の利用に制限がある 9(45%)
・対面活動のための手続きが煩雑 14(70%)
・オンラインでおおむね対応できている 2(10%)
・その他 4(20%)
《非公認》再開に至らない要因(複数回答可)
・感染リスクへの不安がある 4(36%)
・大学からの自粛要請をふまえて判断 9(82%)
・オンラインでおおむね対応できている 2(18%)
・参加人数が集まるかどうか不安 1(9%)

3-1. オンライン新歓の開始状況
前期 36(70%)夏休み 1(2%)
後期 8(16%)春先から中止 6(12%)

3-2. 入会状況例年比
多い 2(4%)例年通り 14(27%)
少ない 23(45%)現時点で0 12(24%)

4-1. オンラインツールの利用を含め、メンバー同士の対話の機会
激減した19(37%)
減少した25(49%)
以前と同様の機会を維持できた5(10%)
やや増加1(2%)
大幅に増加1(2%)

4-2. 総じて、コロナ禍の影響(複数回答可)
・影響はない2(4%)
・活動の見直しで可能性が広がった4(7%)
・十分な活動が困難になっている43(78%)
・団体存続の危機に陥っている23(42%)
・その他2(3%)

回答の概要


■「対面で実施」約4割
大学が課外活動の自粛要請を出した4月から6月までの対応については、ほぼ全ての団体が対面活動を停止した。大学が条件付きで屋外での活動を認めた7月から回答日までで対面活動を実施した団体は約41%となっている。

■対面再開時期には差
対面活動の再開時期は団体によって様々だ。学内の一部の屋内施設も利用が再開した「10月から」と答えた団体が最も多く、次いで「9月から」。最初に緩和された7月時点で再開していた団体は15%にとどまった。
なお、対面再開と答えた公認団体のうち約6割は、他大学の学生も所属する団体であり、京大生のみで活動再開することを選択した。

■再開に至らない理由
対面再開に至っていない理由として、公認団体では、約7割の団体が「現状の自粛要請下では十分な活動ができない」や「施設利用に制限があるため」を選んでいるほか、「手続きが煩雑」に約4割の回答が集まっている。また、その他の理由として、「他大生が参加できず、公平ではないから」との記述も見られた。

非公認団体は、回答数が少ないが、感染状況をふまえて活動再開に踏み切った団体もあることが伺える。

【2-3】「その他」の記述回答
京大生のみでの活動が、構成員にとってかなり不平等であるため/サークルの性質上、どうしても対面で行う必要がある部分もあるから/他大生が参加できず、公平ではないから/体育会全体による活動制限のため(原文ママ)

■新規入会 約7割が例年未満
新歓の実施状況としては、約12%が春から中止している。その他の団体はオンライン新歓を取り入れており、約7割の団体が前期から実施と回答した。

新規入会については、約24%が「現時点で0」と回答しているほか、約45%の団体が例年より入会者が少ないという。

■「団体の存続の危機」約4割
最後に団体運営の実感を尋ねた。

オンラインツールの利用を含め、団体の構成員どうしが対話する機会に増減は見られたのか。これについては、約86%の団体が「激減した」または「減少した」と回答している。

また、コロナ禍の影響について複数回答を可能として尋ねたところ、「(コロナの)影響はない」、「活動の見直しにより団体としての可能性が広がった」との回答がそれぞれ数件見られた。予期せず進んだオンライン化の利点を活かし、従来に近い活動形態を維持したり新たな形を模索したりと、手応えを感じている団体もあると見られる。一方、約8割の団体が「十分な活動が困難になっている」と答え、約42%が「団体存続の危機に陥っている」を選んだ。

【4-2】「その他」の記述回答
新入生を十分に獲得できておらず、行事や技術面での後継者問題が発生している/増えたメンバーもありましたが、以前例会に参加していたメンバーの参加は減ってしまった(原文ママ)

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論点⑦ 課外活動団体の対応《各組織・団体の実情》


《調査》西部・吉田南 感染対策と公平性


4月1日、京大はすべての課外活動施設を原則使用停止とした。7月以降、段階的に措置を緩和しているが、屋内外の体育施設が中心だ。主に文化系の団体が利用する施設の利用再開に向け、学生はどのような動きを見せているのか。西部課外活動棟と吉田南4号館(4共)、吉田南学生集会所の3施設を巡る動きを取材した。

◎西部課外活動棟
京大西部構内にある建物で、約60の学内団体の部室や公認団体向けの予約制の共用室を収容する。その運営は、施設を利用する団体からなる西部課外活動施設使用団体連絡協議会(西団連)が担う。

◎吉田南学生集会所
音楽系団体を中心に約15団体が利用している。これまで明確な会議体制を持っていなかったが、今春、集会所団体による合同新歓が企画され、情報交換体制が構築された。感染拡大の影響で合同新歓は白紙となったが、この体制を活かしてコロナ対応を検討している。

◎吉田南4号館(4共)
従来、授業以外の時間帯に課外活動目的で貸し出されており、時期に応じて15〜30団体が使用してきた。関係団体からなる連合(A連)がある。

利用再開に向けて始動
6月初旬、施設利用の再開に向けて話が動き出した。西団連と集会所の代表が、厚生課の職員から、再開には施設ごとの感染対策ガイドラインを作成する必要がある旨を伝えられた。また、4共については、授業での使用が優先されるため、他施設に比べて課外活動での利用再開が遅れる可能性が示唆された。こうして、感染対策の徹底と団体間の公平性の確保が主たる検討課題となった。

従来は、西団連と集会所は別々で運営していたが、利用再開に向け、共同でガイドライン作成を進めることにした。両組織の代表が叩き台をすり合わせ、各組織で施設ごとの対応を検討した。

連携して感染対策を検討
西部課外活動棟・集会所ともに予約制の共用室を収容している。ガイドラインの策定にあたって、部屋の特徴をふまえた感染症対策を模索した。使用時間の単位について、従来は1コマ3時間としていたが、これを2時間に短縮する内容を盛り込んだ。このほか消毒の実施や活動の記録など基本的な対策をまとめた。集会所・西団連それぞれで検討しては持ち寄って、と調整を重ね、対策については方針がおおむね固まった。

集会所が一部利用再開へ
体育施設の利用が再開される中、7月から8月にかけて西団連の会議開催のペースが上がらず、集会所とガイドライン作成の足並みが揃わなくなり、同時提出を断念した。集会所は8月中に文面を確定し、大学に提出。修正を経て、10月1日から利用再開となった。ただし共用室は12月1日時点で使用を認められておらず、部室のみ利用できる。集会所の部室は比較的広く、運動系団体の更衣室や西部の部室とは性質の異なるものと判断されたという。一方、西団連では、9月の会議時点で、自粛要請が緩和されても西部の部室の利用は認められないとの見通しが伝えられており、共用室の利用再開に目標を切り替えた。

4共の団体への配慮
共用室の予約について、従来は、集会所では取りまとめ団体が調整し、翌々月の使用予約を優先的に確定していた。西団連では会議を開催して確定し、さらに、承認を得れば上限を超えるコマ数を使用することもできた。
施設利用再開が遅れる見込みの4共の団体などへの配慮を検討するにあたって、この共用室の予約の運用を、両組織が見直した。

西団連は、会議の周知範囲を広げ、4共の団体への参加を促す方針を決定したほか、再開した場合、当面の間、上限を超える数の予約を認めないこととした。この内容をふまえてガイドラインを確定し、大学に提出した。職員は、内容を了承したが、棟内通路などの衛生環境に問題があるとして対応を求めた。西団連では、大掃除の実施に向け調整しているという。

集会所では、すでに4共の団体を交えて会議を開いているという。現状は個別に各団体に呼びかけるにとどまっており、今後、4共と集会所の団体を網羅的にをつなぐ連絡体制を確立することが課題となる。

《調査》体育会の動向「ただ緩和を待つわけにはいかない」


55団体を束ねる体育会本部は、組織としてどのように対応したのか。体育会の幹事長と副幹事長に話を聞いた。

迅速にガイドラインを策定
5月25日に政府が緊急事態宣言を全面解除し、京都府での大学への「休業要請」の解除も見込まれる中、5月27日、体育会の幹部は会議を開催した。体育会として再開に向けて動き出すことを決定し、すぐに働きかけを始めた。課外活動掛職員や体育会会長である垣塚彰教授とやりとりしたほか、アメリカンフットボール部のヘッドコーチをアドバイザーに招いて感染対策ガイドラインの作成に着手。部署を超えて体育会幹部が一体となって検討し、各団体にも意見を募ったうえで、6月1日に完成させた。大学のマニュアルに定めのある対策を具体化し、吉田南グラウンドやテニスコートなど施設ごとの対応をまとめたもので、個別に団体としてガイドラインを作成するにあたっての雛形と合わせて加盟団体に共有された。

屋外から再開も、再び停止
こうした対応の甲斐もあり、7月10日から、まずは屋外での活動が認められた。しかし、7月末、体育会の団体の対面活動に参加した学生とその濃厚接触者の感染が判明し、大学は再び課外活動の全面的な自粛を求めた。

全会員にテストを実施
幹事長は当時を振り返り、「全面停止になったが、要請の緩和をただ待つわけにはいかなかないと考えた」と語る。クラスターが発生した原因の一つとして、体育会が作ったガイドラインを守っていなかったことが挙げられ、活動再開にあたっては、ガイドラインを理解して実践できると証明する必要があった。そこで、大学の発表したマニュアルや、体育会が作成したガイドラインとQ&A集をもとにテストを作成し、約2千名いる体育会の全会員を対象に、オンラインで試験を実施した。団体の構成員の8割以上が受験し、かつ平均点が9割以上になった場合にしか体育会として活動再開を認めないことにした。

こうした方針やテストの結果を大学に伝え、8月26日、再び自粛要請が緩和されるに至った。幹事長によると、再試をした団体があったものの、11月時点で、活動を希望するすべての団体が対面実施を再開できているという。

個人利用、他大生、新歓に課題
一方で、課題も出ている。従来は、団体だけでなく個人の学生も体育館などの施設を利用できたが、今は公認団体しか活動が認められず、個人利用を停止している。これについて副幹事長は「心苦しい」としたうえで、体温確認などの体制づくりが課題となり、「どの学生を認めるかを体育会だけの判断で決めることはできず、大学の方針をふまえて対応する必要がある」と述べた。

また、1回生の体育会への入会が減っているという。幹事長は、「直に会わないと感じ取れないこともあると思うので、オンラインには限界がある」としたうえで、「来春になっても今の状況が続くことも想定されるので、オンラインでの新歓をいかに充実させていくか、考えないといけない」と課題に挙げた。さらに、京大生しか活動が認められないことの影響も大きい。「他大学の学生を抱えている団体は多い。スタッフが足りなくて運営が厳しくなる団体が出てきており、そこも課題」だという。また、3時間の時間制限や20人の人数制限について、副幹事長は「課外活動掛は個別に柔軟な対応をしてくれているものの、苦労する団体が多い」と述べた。

《調査》各団体の対応 対面再開に喜び/新歓や他大生参加に難儀


自粛要請の緩和を受け、学内の課外活動団体はどのように対応しているのか。前頁アンケートへの協力を得た団体に、オンラインでの追加取材を依頼した。話を聞くことができた8団体とメールでの返答を受けた1団体の事例を通して、課外活動の実施状況を見る。

グループ分けで対面再開 ■陸上競技部
対面活動は、まず屋外競技から認められた。

陸上競技部は、120人弱の部員が所属しており、短距離や長距離などのパートごとに時間帯と場所を分けて練習しているという。学外の競技場も利用しつつ、学内のグラウンドでは、各パートが交わらないようトラックを分割して使用場所を区切るなどしている。

9月から記録会が再開され、10月には関西インカレに参加した。

スポーツマスクで対応 ■フットサル部
屋内競技は9月から再開が認められた。

フットサル部は、スポーツマスク着用などの対策をとるほか、グループ分けして活動日をずらしているという。従来から体育館だけでなく農学部グラウンドでも活動しており、練習再開は7月だった。試合参加は10月に認められた。

体育会非加盟の団体も再開 ■卓球同好会
体育会内では感染対策ガイドラインの雛形が共有されているが、非加盟の運動系団体は、一からガイドラインを作成する必要がある。

卓球同好会は、日本卓球協会が公表しているガイドラインをもとに独自に作成し、11月から左京地域体育館で対面活動を再開した。取材に応じた会員は、ガイドライン作成の難しさに触れつつ、「再開に向けては会内で積極的な声が多かった」と振り返った。また、他大学の学生も所属しており、「事情を説明し、我慢してもらっている」という。京大生のみという制限について会員は、「仮に京大で認められても、各会員の所属大学で禁じられる場合もある。しばらくは規制が続くことになるのではないか」と見ている。対面活動の再開後は新入生も参加しているが、「いざ体験したいと言われても、体調観察のために2週間後の活動にしか参加できず、予定が合わなくなることもある。そこは苦労している」と語った。

11月祭延期 団体存続に影響 ■えこみっと
11月祭の対面開催が見通せない状況となり、例年企画を出展している団体や、祭の運営を支える団体に影響が出ている。

環境サークルえこみっとは、11月祭でごみの分別・回収の運営を担っている。団体にとって一番大きい行事だが、先行きが読めない。「サークルの存在意義に照らして、何かしよう」と話し合い、ゴミ拾いの実施を決定した。環境省や京都市が公表している資料をもとにガイドラインを作成し、11月に鴨川で清掃を実施した。基本的な対策に加え、捨てられたマスクを拾う際に火バサミを利用するなど対応をとった。ただ、2週間の検温記録やガイドライン作成など、手続きが面倒だったと会員は振り返る。「対面活動を一つ再開するにも、費用対効果を考えると厳しい」。今後の活動は未定だという。

また、11月祭の延期後の開催候補日が3月下旬となっているが、例年その時期は、卒業生から新入生に家具などを譲り渡す「リサイクル市」を実施している。重なった場合は開催が困難となるため、これも懸念事項だ。
新歓も課題で、会員は「新入生が入らなかった場合、団体がなくなる可能性もある。そうなると数年後の11月祭の開催に影響する」と危機感をにじませ、「今後、自粛要請との兼ね合いを考慮しつつ、新しい人員が来てくれるような対応をしていきたい」と語った。

再開「羨ましい」4共使えず ■奇術研究会
西部構内の施設や4共の原則使用停止が続いている影響で、一定数の文化系団体が対面活動の再開に至っていない。奇術研究会もその一つだ。従来は4共の大教室に約50人が集まってマジックの練習をしていたが、4月以降、活動を停止している。

京大奇術研究会では、1回生で入会してから3回生で引退するまでのスケジュールを組み、段階を踏んでマジックの上達に励む仕組みをとっているという。そのため、今春に活動停止を余儀なくされたことで、「出鼻を挫かれた」と会員は振り返る。その後、会内で対応を検討し、主たる活動を1年間停止することにしたという。スケジュールの崩れを避けるため、今年の入会者には来年4月から本格的に活動を始めてもらう想定で、具体的な対応を話し合っている。

こうした事情から、自粛要請が緩和された11月現在も、対面はもちろんオンラインでもほとんど活動していない。部員は、「学内の他団体や他大学のマジックサークルが再開しているのを見ると羨ましいし、しんどい気持ちになる」と心境を吐露した。

また、来春の本格再開を見据え、新入生の確保が深刻な課題となっている。今後は、オンラインでマジック体験会などを積極的に実施する予定だという。

再開して本当に良かった ■叡風会
吉田南集会所は、10月1日から使用が認められた。和楽器の演奏を行う公認団体の叡風会は、10月後半から対面活動を再開した。

換気や消毒、活動の記録といった基本的な対策のほか、楽器による特性として、箏・三味線はマスク着用で対応し、尺八はフェイスシールドを使っている。会員が京大生のみで個人練習を基本としているため、他団体に比べると再開しやすかったという。

従来は各自が好きな時間に集会所内の部室で活動していた。現在は、活動時間や集会所の利用時間帯に制限があるうえに、対人距離を確保するためには一度に5人以上部室に入れない。そのため、シフトを組んで調整しているという。「なるべく分散させているが、どうしても放課後の時間帯の希望が多いので、調整が難しい」と会員は述べる。

また、例年は秋に演奏会を開催しており、今年は11月に予定していたが、2月に延期することを決定した。開催形態は未定で、配信の可能性を含めて検討中だという。

このほか、グループ分けによって時間が区切られ、人の入れ替えで慌ただしくなるなど、「再開してもなかなか思い通りにならない」。それでも、対面活動を再開できた喜びは大きい。会員は、「春先は一人で頑張ろうと思っていたが、モチベーションが続かなかった。今は他の会員と一緒に練習して、喋ったりもする。それがすごく楽しくて、そのうえ新入生も入ってくれた。再開して本当に良かった」と述べた。

気楽には活動できない ■ギタークラブ
ギタークラブも、集会所を活動場所とし、10月から再開した。基本的な対策のほか、アンケートフォームを用いて入退室状況をweb上で共有することで、人数を調整。各自の好きな時間に活動するかつての形態に近い運営を維持できているという。ただ、現状は夜間の利用が不可となっているほか、部員は「距離の確保に気を使って気楽に楽しめない」と課題を挙げた。 

また、4月以降、集会所が常時施錠となり、利用再開後も活動の都度、鍵を借りに行く必要があったが、ギタークラブなどの働きかけで、11月下旬に、夜間を除いて開放されるようになったという。

オンラインで活動頻度維持 ■推理小説研究会
推理小説研究会は、例年参加している文学作品の展示即売会への出典を今年は見送った。一方、通常の活動については、団体内での読書会をオンライン開催に切り替え、例年と同様の頻度と参加人数を維持しているという。

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