堀場雅夫氏 講演抄録(2008.05.16)

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演題:自今生涯
主催:新入生キャンペーン
日時:08年4月16日16時45分~
於:時計台百周年記念館

ご紹介いただきました堀場です。皆様本当に京都大学ご入学おめでとうございます。もちろん今の喜びもあるでしょうが、時間とともに今の喜びはだんだん強くなっていくと思います。私はよく「するめ」みたいなもんだと言ったんですけど、この頃若い人にするめ食べたことないって言う人が多いんで、チューイングガムの逆やと言うたんです。チューイングガムははじめに噛んだら甘いんですけどだんだん味がなくなるでしょう。このちょうど逆がするめや言うて理解してもらったんです。大体の皆さん方4年学部過ぎてから62年目ってのはどういう風になるんでしょ。マスター出たら60年目、ドクター出たら57年目というふうになると。私みたいな実証を見てもらったら自分のこれからの人生どういう風にエネルギー配分していくかわかると思うんです。

手段と目的の逆転


みなさん毎日、新聞とか見ていると本当になんか理不尽なこととか、バカバカしいこと、あきれるようなこととかいっぱいありますよね。あれいったい何が原因しているんやろ。考えてみても原因はいっぱいありますが、一つ共通することがあるんですよね。それは手段と目的が逆転しているということ。皆さんがそうだとは言いませんが、京都大学に入るのが目的で勉強している人っていうのが無きにしも非ずやと思うんですね。そうすると京大に入ったら目標達成やバンザーイそれで勉強が終わってしまったらえらいことです。会社で月に1回誕生パーティーするんですが、新しく入ってきた京大卒に君は何勉強してきたんやって聞いていろいろ話をしているうちにそやけど理学部出てそんなことわからんのかって言ったら、いや私は何分大学入ってから4年経ちましたから、大学に入る時はものすごいいろいろ勉強していたんですけど4年間いろいろ忙しくしていてしばらく勉強やめていました。しかし御社に入れていただいたから一生懸命頑張ってお役にたちます、こういうセリフがあるんですね。ちょっとまってくれ。授業料払っている時は遊んでて給料もらうようになってから勉強するってちょっとおかしいですよね。しかしそういう人が存在するってことは、大学入るのが目的で入ってしまったら、勉強するのをやめてしまうということがあって、これもう本末転倒ですよね。

だいたい大学入るっていうのは手段なんですよね。自分の人生をより豊かなものにして、そして生きがいを感じるために、大学を一つの手段として勉強の場として大学へ入ったんであって、大学へ入ることが目的っていうこと自体が全くナンセンスやと思うんです。

西洋近代文明の限界

 
いずれにせよ、いま日本見渡しても世界見渡しても大変な問題が起こっている。よく言われますけど20世紀の延長線上に21世紀がある。どういうことか、これいろいろ意見はあろうかと思いますが私は近代西洋文明と言うものに限界が来たということやと思いますね。近代西洋文明といえば17世紀の終わりに産業革命がはじまって18世紀にいよいよ本格的になり、一つの中心的な存在っていうのが蒸気機関の発明ですよね。それまでは人間の力か牛か馬か風車か水車かを使ったエネルギーだったのが、自由にコントロールできて持ち運びのできる機械エネルギーが発明されて、それによって汽車が生まれ蒸気船が生まれ、いろいろな工場の動力になった。

そこで何が起こったかっていうと日本では家内労働、要するに家の中でぎっこんばったんやってたのが機械的エネルギーが大きい工場ができてですね、そこで生産をするためには経営もいる資金もいる働く人もいるということで資本と経営と労働っていう三つの機能が役割を分担した。そこに近代資本主義っていうものがうまれてくる。だから科学技術の発展によって新しい経済システムが生まれる。

ですから近代西洋文明ていうのは一方には科学技術っていうものがあり一方には資本主義、この二つの車の両輪が回転することによって近代的な西洋文明っていうものができ、それによって世界中が大きな富を生む。日本も明治維新になって開国しますね、そして近代西洋文明をえて力を強める、それが結果論としては日清戦争・日露戦争で勝つんですが、最後に太平洋戦争でとんでもないことが起こってしまい、無一文になった。それで日本人が力を発揮するのは近代西洋文明の力です。ですから近代西洋文明っていうのは世界中の富を導いてきたわけです。日本も戦争負けて食うもんなかったです。でも農業と農薬の発達によってどんどんと生産が上がり、いろいろな難病も医学の発展によってなくなっていく。しかも日本はいまや世界最大の富裕国になってまうしね。家庭電化製品ができて家内労働も大きく転換して夫人の社会進出にもつながる。自動車とかジェット機が出てくると世界中どこへでも行ける。こういうふうに近代西洋文明っていうのは大きな役割を果たしている。

しかしひとつ大きな問題となったのは化石エネルギーに代わる最大の利用すべき原子核のエネルギーっていうのは不幸にして最初我々が知ったのは爆弾としてだったんですね。これによって原子力に対する考え方が非常にいびつになってしまって、今でも国家の安全保障において核を保有するかしないかが問題になる。本当は化石エネルギーがなくなって一番頼りになるのは核エネルギーなんですが。このように科学技術の進歩というのは、必ずしも人類にとって幸福とは言えない。もうひとつは資本主義というのが世界中に富をもたらしている。資本主義というのは簡単に言うとたくさん作ってたくさん売る、その回転が大きければ早ければ早いほどエクセレントカンパニーと言われる。結局大量生産するということは大量のエネルギーを生む。大量の消費は大量の廃棄につながる。要するに、資本主義というのでは地球のエネルギーと資源をたくさん使うということが繁栄のもとになっている。これ一体どうするんだろうか。もう一つの問題は資本主義経済と言うのは基本的に弱肉強食ですから強い奴が弱い奴の肉を食ってどんどん太る。弱い者はどんどん細まっていく。これはもう完全な富の格差です。富の格差を一体資本主義はどうするのか。両方とも地球環境問題も富の格差も資本主義のシステム的にどうしようもない。これはもう混乱がいよいよ21世紀始まっています。それに対する明確な答えを誰も出せない。

モラルしかない


こういう大きな問題がある国内に目を向けてみるといまや日本は第二の大国だと思うんですね。幕末に下田にペリーがやってきて開国しますね、それによっていろんな近代西洋文明が入ってきて日本は栄え、現在のIT技術であるとかバイオ技術であるとかどんどん進んでまいりました。これによって人間はますます大きな富を得たわけですが、例えばクローンの問題を考えてどうですか。私は個人的にクローンほしいですよ。クローン2、3匹いたら便利ですよ。1匹は家置いといたら嫁さんの相手するし、1匹は会社置いといたら会社も大丈夫、私は申し訳ないけど今日はちょっと行くところあるんで、まぁ・・・と。そんな感じで三人三様でやってたら、なんや本人だけいいかっこしいやがって、我々クローンも好きにさせろということで大変なことになる。ビンラディン1万匹作ってもフセイン1万匹作ってもこれ大変なことになりますよね。科学技術が進歩するということが今までは人間の幸福につながってた。これが自然科学が生命の分野に入ってきたときにやっぱりややこしいことになってきた。これをどうするのか。

人間のクローンを作ったらいかんっていう法律があるけど、法律作ったら何でも片付くかというとそんなことないですよね。人を殺したらいかんって昔から法律あるけど毎日人殺されてますよね。クローン作ったらいかんいうてもそれクローンつくりますよ。これを一体どうするのか、こういう問題がいっぱいあるわけです。これを解決するのはただ一つ、一人一人の人間のモラルしかない。倫理しかないんです。国連決議やったってイエスキリストに頼んだってお釈迦さんに頼んだってどうしようもない。一人一人の人間がこれ本当に人間にとって幸福なのか、これをすることが一見良いようだけど最終的には人間社会に不幸をもたらすのか、というチョイスをし実行できる人間がどれだけおるかということに21世紀はつながっていると思うんですね。皆さん方も大変大きなお荷物を背負って生きていかないといけない、特にオピニオンリーダーになるべき人々はこれを人の百倍千倍考えて生きていかないといけない。私は幸いもうロスタイムに入ってますから、いつお迎えが来てもいいし、それまではいくら北極の氷が解けても南極の氷が解けても京都までは水につからない。東京とか大阪はつかるかもしれないけど京都はちょっと標高高いんで私が目をつぶるまではまだ大丈夫。CO2が増えてもまぁ暑なると言っても2、3度しか上がらないのでゆっくりと眠りに就くことができる。みなさんがたはそうはいかない。あと50年も60年も生きなならんから水につかると困る。どうしますか。

ノーブレス・オブリージュ


まぁそういう問題を持っているということだけは忘れないように。 人間ていうのは大変なこといろいろいっぱいあったんですよ。人間の英知で持ってそういうものを解決してきた。今答えはないけど、皆さん方は本当にテクノロジーの問題にしろエネルギーの問題にしろいろいろな問題を考えて解決点を見つけ出す。それが皆さん方の生を受けた一番大きな義務であり責任であると思うんですね。ノーブレス・オブリージュという言葉があるんですが、これは能力ある人がこの能力をただ自分のために使っちゃいかん、皆さんのために神から与えられたこの能力を使うということが皆さんの責任ですから、京都大学の皆さんはしっかりやってほしい。

自分の限界に挑め


ただ、特に日本人ていうのは自分を過小評価するんですよね。何かやってくれって言ったら、とても私にはできませんとかすぐそういうこと言う人が多い。でもやってみないのにできるとかできないとか言うのはおかしいと思うんです。知識がある人ほど否定的なんですよね。極限に挑むということをやらない。悪い例えですが、皆さんも自動車乗るでしょ、その自動車どれだけ能力持ってるかってテストしたいでしょ。テストするっていったら夜中になるべく人のいないとこでフルスロットルで10秒でも20秒でも踏み込むわけや。今の国産車でそこそこのだったら180か200キロでますよ。この中でフルスロットルで20秒間アクセル踏んだ人いますか。いないよな。これが京大の京大たるゆえんや。そんなアホなことはしないというのがこれ教養なんです。教養っていうのはアホなことしないためのものやから。しかしそういう人たちには自分の極限というのが分らない。ほとんどの人は自分の能力って知らずに死んでいくんですよ。私も教養があるので自分の極限なんてものは知りたくなかったけど、いやでも戦争というものに極限というものを外圧によって知らされたんです。ですから逆にいうたら怖くない。私の怖いのはなにか、一つは死にたくないのに殺される、死にたくないのに弾飛んできたり爆弾落ちたり。もう一つは、今晩から食べるものがない。どこ見ても食べるものない。横に人がおってこいつ死によったら肉食うたろかと思うほどですよね。その二つ以外は人間にとって大したことない。別にズボン破れたってどうってことない。この頃新しいズボン破ってはいてる人もいるし。まぁその二つ以外は大丈夫ってことを確認したわけですよ。

人間ていうのはそういうようなことができる。でも今この時代でも極限に挑んでいる人はいてオリンピックの選手目指してる人なんか毎日毎日40キロぐらい走りこんでて、死ぬぞっていわれてても死なないんですね。比叡山に千日回峰行っていう一番厳しい修業があるんですけどね、京都の山道を数十キロ走って、しかも帰ったら寝るんと違って護摩炊いてお経あげてというのを毎日毎日千日間続ける。そんなこと普通に考えたら絶対できないんですよ。しかしそれをやり遂げた人がいる。まぁわれわれ一生懸命やってても出力の5分の1か4分の1ぐらいなもんですよ。車でいうたら40キロか30キロで走っているのと一緒。一変フルスロットルで走ってみたらどうか。やって警察に捕まっても保証しませんけど、世の中っていうのはそういうもんや。自分で自分の能力を知らないのに決めるっていうのは非常に危険である。こんなことはできひんとかすぐそういう風に考えてしまうのは自ら自分を制限してしまっている、ぜひそのリミッターを取り除くというのが人間にとって必要なんですよ。

スキル、体力、人徳


失敗はどうしておこるのか。失敗したときに辞めるから失敗は失敗で終わってしまう。成功するまでやったら成功なんです、きわめて単純。何が何でもやろうと思ったらやれないことはほとんどない、しかしそれだけの体力と気力、最低限のスキルっていうものがなければいくらがんばったってできない。だから大学で4年間、6年間で学んでほしいのはもちろん自分の専門のスキル。これはもう絶対にやらんといけませんよ。スキルのない人間っていうのは一番世の中で哀れ。しかしそれと同じぐらい哀れなのは体力ですよ。どんな賢い人でも体力なかったらそのスキルと言うものを利用できない。それともう一つが人徳なんですよ。その人に人望、人格がなかったら、どんな体力があってどんな賢者であってもそれは世の中で通用しない。だからスキルはもう当然必要条件、でも体力と人徳っていうのは十分条件です。社会で存在を認められるっていうのは必要条件だけじゃだめなんです。必要かつ十分条件がそろって初めて存在が認められる。ぜひこの4年間もう一度自分っていうものを見直して、自分のスキルっていうものをしっかりし、自分の体力っていうものをしっかりして、それと同時に倫理観、道徳観ていうものをしっかりもってほしい。この三つがそろってバランスが取れたとき、その人の存在が認められる。

人間は強い


人間っていうのは本当に強いもので、どうして人間は今生物の中で王座を占めているかっていたら人間は知恵があるからとみんな考えている。それは間違いない事実ですが、もう一つやっぱり人間は体力的にも強いんですね。地下千メートルのところも行けるしトレーニングすればエベレストの上も無酸素で行けるでしょ、上9千メートル下千メートル要するに幅一万メートル、自然呼吸でもって生きられるわけですがそんな動物ってないんですね、やっぱり人間が一番強い。温度でもそれは防寒着は着るかもしれないけどプラス50度でもマイナス50度でも生きられるし。食べるものも私も経験したけど戦争中ひどいときは千キロカロリー以下の食事もしてました。別に寝てたわけじゃないし人一倍働いていたわけですね。今、それこそ新入社員と一緒に焼き肉食いに行こうかっていったら5000キロカロリーぐらい食いますよね。それでも平気。飼い猫や犬は、今食べてる食料を3倍ぐらいに増やしたら必ず死ぬんですよ。それだけ見たって強いでしょ。この中に経済学部の人いるかどうか知らんけど経済も強いんですよ。私が物心ついたとき1ドル2円やった、それで戦争に負けて公定レートになって360円になってこれでもう180倍ですよ。昭和30年にはじめてアメリカに行ったとき、公定レートの360円では1日12ドルしか換えられない。それじゃ足らんから闇で替えたら1ドル500円で替えなあかんかった。それからいろいろありまして360円が250円になって会社がつぶれるって言われてたけどつぶれなかった、200円になったら本当につぶれるって言ってつぶれなかった、150円なったら全部死ぬ言うてたけどだれも死ななかった。100円になったらこれは本当にダメやゆうたけど、死にまへんねん。80円までいったんですよ。赤字はなんぼかあったけど死ななかった。またすぐ120円に戻った。80円でも生きてたんやから120円やったらぼろもうけするかと思ったらもうからへん。どないなっとんや。これがおもろいとこなんですね。人間っていうのは状況によって変化する。人間はどんな状態でもそれなりに生きられるということですね。私は為替が2円から500円の間生きてきたからね。10円や20円変わったから大変大変言うたって、まぁ頑張ってくださいて感じです。

まぁそのようなことで自信を持ってほしいけれど自信を持つにはそれだけの能力と体験とそしてそういうことをやっていくという気構えがないと人間ていうのはそっくりそのまま意味のないものになってしまう。

人間は科学で計れない


でもいろんな意味で人間は全く今の自然科学では想像できないような能力を持ってますよ。まぁこの年になると友達死んでいくんですよね。そやからみんな死なんうちにクラス会をしようって小学校のときですから71年前別れてから全然あってない人いるんですよね。それで四条烏丸で待ってて向こうからおばあさんがよちよち歩いてくるんですけど、近くまで来たら名前がわかるんですよ。12歳の子が83歳のよれよれのおばあちゃんになってても瞬間でわかる。画像処理のソフト作ってもそんなんできません。できたって2秒間でそれを取り出すなんてスーパーコンピューター10台ぐらい並べなあかん。このことだけでも人間て言うのは数百億円の価値持ってるわけですよ。はじめてあった人でも、こいつちょっと変なんちゃうかとかあやしいなとか、この人は人がよさそうやなとかこんなことだって人間は判断できる。皮膚の感じ、味の感じ、音の感じ、音声認識なんていったって素晴らしいものを持ってる。人間の機械エネルギーのエフィシエンシーなんてすごいですよね。この間もある世界トップの自動車会社の内燃機関の効率がもうすでに40%を突破したって発表してたんですよね。今、平均したらせいぜい20~30%なのが40%、差額は熱で逃げているけど内燃機関としては素晴らしいものを持ってる。立派やと思いますが人間にはかないませんね。人間どうですか、100メートル全力疾走してゴール着いた瞬間おでこに手を当ててやけどする人ありますか。マラソン42キロ走ってゴールするとき体温下がってる。ということは人間の場合はすべてのエネルギーを機械エネルギーに変えてる。まぁそういうことで人間ちゅうのはやっぱり私は特別だと思うんですね。

特に物理学でも原子核物理やってたもんですからね。唯物論の塊で、世の中は物理化学ですべて解決できると思ってたんですよ。それがちょっと紹介されてたけど34歳のときにどうしても医学の研究したいと思って勉強して学位貰ったんです。そのときに論文だけやったらあかんと、医学の基礎が分らんかったら医学なんかやれへんと言われたんで医学の勉強を独学で2年ほどやりました。その時愕然としたんですね。今の自然科学なんてなんぼのもんや。人間の生命というものから見たらね、生命っつうのはすごいもんですよ。

人間安物でも1千億


最近のロボット。皆さんロボット工学興味ある方は知ってると思いますが、最近のロボットは重たいもん持ったり危険なとこ行ったりすんのと違っていかに人間に近づけるかなんです。そんなシンポジウムがあったんでぼくも出てたんですが、そうするとまぁ日本の歴々のロボット学者がいたので、人間に近づけるって言うけど、人間をもしロボット学者がその機能を見たとき値段はいくら付けますかって聞いたんです。そうするとまぁ千億はくだらんなぁ、と答える。隣の先生がとんでもない2,3千億はくだらん。そんな話してたら最後5千億まで上がった。今日この話だけ聞いた人は満足して帰ってください。自分は少々安物でも最低1千億ですよ、ちょっと優秀や思ったら2,3千億、相当優秀や思ったら5千億の価値があるんです。
 それ終わった後に会社の入社式だったんですよ。今年ももうひとつやなあと思って新入社員見てたんですが、一番安もんでも1千億や思ったらこれはえらい買い物したなと思って、横の人事担当の役員に今年の初任給いくらやって聞いたら21万。ちょっと待て千億のものレンタルしたら最低でも5,6億はかかる。それが21万円。経営者っていうのは労働搾取してますよね。5億のものを21万円。ところがみんな式終わってみたら堀場製作所に入れていただいてありがとうございますって挨拶にくる。5億のもの21万で売ってまだよろしくという。
 現代の自然科学と人間って全く別物なんです。それを自然科学の中に生命っていうものを入れてしまったところに一つの大きな問題がある。こういう点もみなさんよく考えて少なくとも卒業するころには京大のレベル上げてもらって、本当に何ぞというものにむかって努力されることを大いに期待しています。

《本紙に写真掲載》



ほりば・まさお
株式会社堀場製作所最高顧問
 大正13年、京都市生まれ。昭和20年、京都大学理学部在学中に堀場無線研究所を創業。学生ベンチャーの草分けと呼ばれる。国産初のガラス電極式pHメーターの開発に成功し、昭和28年、堀場製作所を設立する。社員に博士号の取得を推奨し、自身も昭和36年に医学博士号を取得。「おもしろ おかしく」を社是として、全社一丸となって、ベンチャービジネスのモデルともいえる企業を作りあげた。以後、同社は分析機器のトップメーカーとして、つねに技術開発で業界をリードしている。昭和53年に会長、平成17年に取締役を退任し最高顧問に就任。
 現在、日本新事業支援機関協議会(JANBO)会長、独立行政法人 科学技術振興機構 JSTイノベーションプラザ京都 総館長、京都市ベンチャー企業目利き委員会 委員長などを務め、起業家の育成にも力を注いでいる。
 著書に『イヤならやめろ!』(日本経済新聞社)『仕事ができる人 できない人』(三笠書房)『「好き」にまかせろ!』(PHP研究所)『人の話なんか聞くな!』(ダイヤモンド社)『今すぐやる人が成功する!』(三笠書房)『やるだけやってみろ!』(日本経済新聞出版社)『もっとわがままになれ!』(ダイヤモンド社)など多数がある。

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