吉田寮訴訟 寮生側「確約は有効」 話し合いの原則巡り 第5回弁論(2020.12.16)

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京大は無効と主張


京大当局が吉田寮現棟の明け渡しを求めて寮生を提訴した問題で、12月2日、第5回口頭弁論が京都地裁で開かれた。吉田寮自治会と大学が結んできた確約書について、原告・京大が無効と説明していることを受け、被告・寮生側の弁護士が、寮自治会の社団性を補足して有効であると反論。確約書にある話し合いの原則などをふまえ、「提訴は却下されなければならない」と主張した。第6回口頭弁論は3月4日、京都地裁で開かれる。

弁論には被告側から寮生と弁護団の計15名、原告・京大からは弁護士3名が出席した。寮生側の弁護士は寮自治会の社団性について、1964年10月15日の最高裁判例を引き合いに出し、▽多数決の原則などが確立していること、▽構成員が変わっても存続することなどに当てはまれば、法人ではない組織でも、社団の名で契約して構成員全員に権利をもたらすことができるとの判断が下されたと説明した。これをふまえ、寮自治会として結んだ確約書の内容は、被告となっている寮生全員に適用されると主張した。

訴状などで京大は確約書について、大学の中で正式な決裁を経ていないとして無効と主張している。これに対し寮生側は、担当の副学長は決裁権限を持つと説明し、実際に確約に基づいて食堂の補修が実現したと指摘した。

今後の方針について寮生側の弁護士は、裁判終了後の報告集会の中で、京大当局による提訴を権利の濫用として追及したうえで、即刻の立ち退きが必要なほど老朽化していないとの主張を改めて補強すると述べた。

10月の大学執行部の交代後、今回が初めての口頭弁論となった。今後の対応について京大は本紙の取材に対し、「即刻の退去を求める方針に変更はない」としたうえで、提訴の取り下げの可能性については「回答しかねる」と回答した。

寮自治会 理事ら無回答に抗議 要望書巡り


10月1日に吉田寮自治会が交渉再開などを求めて総長・理事宛に提出した要望書について、期日とした10月末までに応答がなかったことを受け、寮自治会は11月20日、抗議声明を発表した。声明では、「話し合いを軽視する非民主主義的な態度」と総長・理事を批判し、訴訟の取り下げや交渉の再開を改めて求めた。未回答の理由について京大当局は本紙の取材に「回答しかねる」と回答した。

寮生「未来について話し合いを」


裁判当日、京都地裁では、感染症対策として傍聴席が通常の半分強となる41席に絞られ、約60人の傍聴希望者が列を作った。終了後には、吉田寮自治会がユーチューブのライブ配信形式で報告集会を開き、弁護士が口頭弁論での主張を改めて説明したほか、寮生が近況を報告した。寮生は「ビジョンを語ることなしに現場を大きく改変しようとしている」と京大当局を批判し、「未来の吉田寮について話し合う方向に持っていきたい」と述べた。

このほか集会では、松田素二・文学研究科教授がメッセージを寄せ、寮生が代読した。松田教授は大学による寮生の提訴を「異常事態」と指摘したほか、訴訟に関する事項が教授会や教育研究評議会といった学内の会議で十分に共有されていないと明かしたうえで、「自由でオープンな議論の上に大学の意思決定がなされることを望む」と述べた。

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