京大の「ダメ」を語り合う 第二回「ここがダメだよ京都大学」 (2020.12.01)

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11月23日、北部祭典実行委員会が主催する北部祭典Onlineが行われた。北部祭典は、農学部と理学部の学生有志が主体となって行われるもので、例年では11月祭と同時期に開催される。今年は11月祭の開催は延期となったが、北部祭典はオンラインで行われた。「第二回ここがダメだよ京都大学―いまの京大、ちょっと変じゃない?」は、自由と平和のための京大有志の会との共催で行われたシンポジウムで、今年で二度目の開催となる。教育学研究科の駒込武教授、人文科学研究所の藤原辰史准教授、人間・環境学研究科の松本卓也准教授と学生登壇者二名が、京都大学の「ここダメ」について語り合う様子が配信された。

初めに、松本氏が大学の授業の現状について説明した。その中で松本氏は「単位の実質化」について大きく取り上げた。文部科学省が推進する単位の実質化においては、授業時間と予習・復習を含めて、一単位につき45時間の学習時間を確保することを前提としている。例えば京都大学では一コマを2時間に相当するとしているので、一コマ2時間で二単位の講義授業であれば、定期試験を除き15週×2時間で30時間が授業時間となるが、それに加えて60時間の予習・復習が二コマ分の学習に必要ということになる。この単位の実質化のために作られた制度がCAP制やGPAなどであるという点に松本氏の話は進んだ。京都大学でもCAP制とGPAが導入されているが、松本氏は、インターン等の就職活動や学生アルバイトで忙しい中、求められる分量の予習・復習は難しいという学生の事情を無視して単位の実質化を進めることを問題視した。また別の問題点として、単位の実質化における予習・復習という考えが現実の学修に則さない場面があることも指摘した。学生登壇者の中からも賛同の声が上がり、学生側の実情と政策との間にギャップがあることを感じさせる場面となった。

次にシンポジウムの話題は駒込氏による総長選考の話に移った。駒込氏は総長選の問題点について、学外候補を立てるには総長選考会議の推薦が必要なことや教職員による意向調査で過半数獲得者がいない場合に決選投票を行う条項を総長選考会議が削除していたことなどを挙げ、総長選考会議に大きすぎる権限が与えられていると指摘した。総長選考会議は各六名の学外委員と学内委員で構成されるが、教授会が影響力を持てるのは学内委員だけだという。さらに話題は他の国立大学での学長選考に移り、大学内での意向調査について規定がない大学や意向調査で一位でない候補者を選出した大学も一定数あることを取り上げた。駒込氏は発表の最後に、大学にトップダウン式の権力構造が導入され、大学での学びが危機に瀕していると批判し、大学の自治と自由な教育・研究環境を取り戻そうと呼びかけた。

最後の話題として、藤原氏は新自由主義と大学の関連について語った。藤原氏によると、近年、大学は世界的に新自由主義的なものとなっているという。新自由主義は強力な私的所有権や自由市場、自由貿易の中で企業活動の自由を保障する考えのことであり、日本でも中曽根内閣などによって改革が進められてきた。しかし、大学はこの新自由主義のトレンドに乗りにくいと藤原氏は語った。藤原氏は、教育現場が経済に統治されると面白い大学からは遠ざかるとし、面白い大学のためには市場価値から外れた研究を行うこと、学部教育が充実していることなどを盛り込んだ、非〈新自由主義〉大学であることが必要だと述べた。

配信のコメント欄には視聴者による様々な意見が見られ、各トピックの合間などにはコメントについて会話がなされるなど、オンラインではあるもののイベントは盛り上がりを見せた。(三)

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