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熊野寮祭 時計台「占拠」に当局が警察導入 職員の制止振り切り登攀 逮捕者は出ず

2020.12.01

11月27日正午頃、百周年時計台記念館にて、熊野寮祭イベント「時計台コンパ」の一環として、時計台に登る企画が行われた。大学当局は11月25日、当該企画に関わらないよう呼びかける告示を出し、現場に職員を多数配置して制止を図ったが、学生10名ほどが梯子をかけて時計台に登った。これを受けて大学当局は12時40分頃、警察を正門から本部構内に招き入れ、学生は時計台から降りた。怪我人や逮捕者は出なかった。

企画は、熊野寮祭のイベントとして、10年以上前から行われている。2017年から大学当局は、不参加を呼びかける告示を発出しており、同年には警察を導入した。昨年と一昨年は、イベント自体は催されていたものの、時計台に登る学生はいなかった。

今回の企画に関して、熊野寮自治会は11月27日付で「時計台占拠に際しての声明」を発表。ヘルメット着用やマットの設置などの安全対策や感染症対策について説明した。また、大学当局に対話を求める姿勢を打ち出した。時計台の上からも「京大の自由を取り戻そう」などといったアピールが行われた。

大学当局は告示において、「企画を主導して実施した団体・個人のみならず、同企画に参加したにとどまる者に対して学内処分を行うほか、時計台記念館に登ろうとする者については確認次第直ちに警察に通報する」などと厳しい対処を示唆した。時計台に登る学生らには対しては、ビデオカメラで撮影を行なった。

京都府警は、10名ほどが職員に案内される形で入構し、カメラで写真や動画を撮るなどした。学生が自ら時計台から降りたため、登った学生らに直接接触することはなく、逮捕者はでなかった。

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