メタボ検診 指導効果乏しい 医学研 大規模データを解析(2020.11.16)

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福間真悟・医学研究科特定准教授らの研究グループは10月2日、日本における特定健診(メタボ健診)や特定保健指導の効果について、大規模なデータ解析を行ったところ、肥満の軽度の改善が見られた一方で、血圧・血糖・脂質などの指標において改善が見られなかったとする研究結果を発表した。現行制度の改善につながることが期待される。

特定健診とは、40歳から74歳までの日本国民が毎年受ける、メタボリックシンドロームに着目した健診のことである。特定健診において、腹囲が基準値以上だと、特定保健指導を受けることになる。この健診や指導について、これまでの効果検証では、指導を受けた人と受けなかった人を比較していた。この手法では、受けていない人は受けた人よりも健康意識が低く、指導効果の評価が正しく行われていない可能性があった。本研究では、回帰不連続デザインの手法を用いることで、従来よりも厳密に効果を検討することが可能になった。この手法では、腹囲が基準値以上であると指導の対象になるという現行制度の側面を活用し、基準を少し超えて指導対象になった人と基準を少し下回って指導対象にならなかった人で比較を行った。そうすることで、「保健指導の対象になったかどうか」以外は、条件が同じ2集団を比べることができたという。

本研究では、就労世代男性7万5千人の健診データを用い、1年間で健康状態の改善がどれだけ見られたかを調査した。効果検証の結果、「メタボと判断され指導の対象となること」によって0・4%の肥満改善が認められた。指導の対象者の内で「実際に指導を受けたこと」によって、2%の肥満改善が認められた。ただし、指導の対象者のうち、実際に指導を受けたのは16%だったという。一方、血圧・血糖・脂質などの指標に関しては、「指導の対象となった」場合、「実際に指導を受けた」場合のどちらでも、改善が認められなかった。現行の保健指導制度は肥満の軽度改善につながる一方で、血圧・血糖・脂質の改善は見られず、制度を見直す必要があることを示唆した。

研究グループは、今後の展望について報道発表の中で、「効果の高い保健指導制度について調査・分析し、全国で行われている保健指導がより健康改善に結び付くために必要な知見を明らかにする予定だ」としている。本研究は、10月6日に米国の国際学術誌 「JAMA Internal Medicine」にオンライン掲載された。

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