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学術会議 京大教授も任命拒否 文学研究科「由々しき事態」

2020.10.16

日本学術会議の新会員として推薦されていた105名のうち6名が任命されなかった問題で、6名の中には文学研究科の芦名定道教授(キリスト教学)が含まれていることがわかった。10月6日、同研究科は研究科長名で声明を発表し「明確な理由なく任命が拒否されるのは、日本学術会議の存立意義を否定するものであり、学問全体の自立という見地からも、まことに由々しき事態である」との見解を示した。その上で、日本学術会議の要望通り、任命拒否理由の説明と6名の速やかな任命の2点を受け入れるよう求めた。

今回の任命の拒否について官邸は「総合的、俯瞰的な活動を確保する観点から判断した」としており、任命拒否の明確な理由を説明していない。東京大学の五神総長や一橋大学の中野学長らも声明を発表し、理由の説明を求めたうえで、学術会議側と政府側の対話の必要性を訴えた。

なお、湊新総長は10月2日午前の会見では「現状で私が持っている情報で、具体的なコメントを言うことは差し控える」と述べた。10月15日現在、京大は本紙の取材に対し「個別にコメントすることはない」としている。