吉田寮 オンライン集会開催 18日に第4回口頭弁論(2020.09.16)

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8月30日、吉田寮自治会がオンライン集会を開催し、新型コロナウイルス感染拡大以降の寮内外の動きを報告した。口頭弁論の延期が続いていた吉田寮現棟明渡請求訴訟について寮生側の弁護士が今後の展望を述べたほか、福家崇洋・人文科学研究所准教授が7月にかけて行われた京大の総長選について解説した。第4回口頭弁論は9月18日15時から開かれる。

弁護士「訴権の濫用」 追加提訴を批判


昨年4月に京大が吉田寮現棟の明け渡しを求めて寮生20名を提訴した問題で、今年3月31日に京大が新たに25名を追加で提訴したことについて、寮自治会は集会の中で、すでに退寮した者が15名含まれていると説明した。進学先や海外の引越し先に提訴を知らせる通知が送られた者もいたという。一般的に建物からの立ち退きを求める訴訟は、裁判所による仮処分時点での居住者を相手取って提起されるため、すでに退去した者が被告となることは珍しくない。今回の訴訟で京大は、退去の事実が確認されている者でも退去報告書を大学に提出していなければ追加提訴の対象としており、寮生側の弁護士の森田基彦氏は「違法ではないが、訴権の濫用だ」と批判した。追加で提起された訴訟について森田氏は、進行中の訴訟に併合される見込みだと説明し、「濫訴だとしても粛々と対応する」と述べた。

訴訟の今後の展望について森田氏は、仮に京大側が第一審で勝訴した場合、寮生側が控訴しても立ち退き処分が仮執行される建て付けになっていると説明した。そのうえで、寮生側が所定の手続きに沿って供託金を納めれば仮執行が停止され、訴訟の進行中に退去を強制されることはないとした。

老朽化をめぐる認識が争点に


続けて森田氏は訴訟の争点を整理した。まず、寮生と大学が契約関係にあるかどうかが問題になると指摘した。京大は吉田寮について、大学が管理者で寮生は利用者であり、契約関係はないと説明し、大学が広範な裁量に基づいて退去を求めることができると主張している。一方、寮生側は、京大は法人として寮生と契約を結んでいると反論している。

また、京大は、仮に寮生との間に契約関係が認められるとしても、それは使用貸借契約的だと主張している。使用貸借契約は無償で建物の使用を認める契約で、貸主に大きな裁量がある。これをふまえ京大は老朽化を理由に退去を求めることができるとしている。一方、寮生側は、賃料の支払いを伴う賃貸借契約に類似した契約関係であると指摘したうえで、使用貸借・賃貸借のどちらの契約に準ずるとしても、解除事由にあたるほど差し迫った倒壊の危険性はないと主張している。森田氏は「結局は老朽化が問題になる」と述べた。

老朽化に対する評価を巡って、吉田寮は2005年と12年に耐震診断を受けており、京大側はこれに基づいて倒壊の恐れがあると主張している。一方、寮生側はこれまでの弁論で、05年の診断では「補修すれば継続使用可能」との見解が示されたことを指摘したうえで、12年の診断では基準が変更されたために否定的な評価に変わったと説明した。耐震強度に関する測定結果はほとんど変わっておらず、直ちに倒壊するほど朽廃していないと主張している。

このほか寮自治会は集会で、感染拡大以降の学生生活について説明したうえで、コロナ禍での京大による追加提訴について「教育機関として不適切」と批判し、「裁判の動向に注目してもらえると力になる」と呼びかけた。

続いて福家准教授が、今年7月に行われた総長選考について見解を述べた。教員有志が出した公開質問状に対する各候補者の回答状況を説明し、吉田寮訴訟に関する問いでは、3候補が「早期の解決が望ましい」などと回答したことを紹介した。これをふまえ、「大学当局が学生を訴えるのは異常な事態であること、速やかな解決が望ましいことは共通の理解になりつつある」と述べた。

集会はYouTubeのライブ配信形式で実施され、事前申し込み制の限定公開で約80名が視聴した。一連の報告後は、寮生や弁護士、福家准教授が参加者から寄せられた質問に回答した。第4回口頭弁論は9月18日15時から京都地裁で開かれる予定で、吉田寮自治会は終了後にオンラインで報告集会を開催するとしている。

訴訟までの経緯


吉田寮を巡っては、2017年末に京大当局が文書を発表し、現棟の老朽化を理由に入寮募集停止および2018年9月末までに現棟と2015年築の新棟から退去することなどを求めた。2018年7月と8月には、寮自治会と川添信介・学生担当理事による少人数での話し合いが行われたが、京大当局は「建設的ではなかった」としてそれ以降の交渉を拒否した。寮自治会は交渉の再開を求め、退去期限とされた2018年9月末以降も一部の寮生が現棟で居住する状況が続いた。

昨年2月12日、京大当局は現棟とその周辺を立ち入り禁止とすることを通告したほか、大学の示した条件を受け入れれば新棟からの退去は求めないと発表した。これを受け同年2月20日、寮自治会は交渉の再開や寮自治会による点検の実施などを条件に現棟から退去すると表明した。しかし京大当局は条件を問題視して要求を受け入れず、昨年4月26日、現棟の明け渡しを求めて寮生20名を提訴した。

17日22時配信

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