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文・教授に戒告処分 不正記入で学生に謝金

2020.07.16

京大は6月29日、学生に対して業務への謝金1万9200円が不正に支払われた事実を認定し、文学研究科教授に戒告処分を下した。学生は勤務表への署名を拒否したが、教授が謝金を支払うために本人に代わって署名・押印したという。

京大は2018年12月に通報を受け、翌年1月に調査委員会を設置した。調査委員会によると、当該の教授の研究室で、日本学術振興会からの助成対象となる研究を実施しており、その一環として複数の学生が資料整理に従事した。しかし、うち1名の学生は業務に関して教授から十分な説明を受けていなかったという。学生が「自身の謝金受給に対して正当性に疑義を感じた」として勤務表に署名しない旨を伝えたところ、教授が本人に代わって署名・押印し、通常の手続きを経た他の学生と同様に、助成金から謝金が支払われた。

調査委員会は、支出を示す書類の確認や関係者への聞き取りを経て、学生による勤務の実態はあったと認定した上で、書類の偽造を不正と判断した。調査結果を受けて京大は6月29日、学内の就業規則に基づいて戒告処分を下した。また、当該の研究室が受けていた助成金については、昨年1月の調査開始の時点で使用停止措置とした。

教授は今回の支出について、不正にあたると認識していたが、「業務の対価として謝金をきちんと支払うことが大切」と考えて書類を偽造したという。京大はコミュニケーション不足が要因の一つと判断し、再発防止策として今後、謝金業務に際して従事意思の確認を徹底すると説明している。

7月16日23時配信