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京大 一部の対面授業を再開 課外活動は全面停止を継続

2020.07.01

新型コロナウイルスの感染防止に向けた学内の活動制限を巡り、京大は6月22日から、演習など一部の専門科目で対面授業を開始した。6月19日付の発表で、引き続き遠隔形式を原則とするとしたうえで、対面形式の段階的な解禁予定を示した。また、課外活動については、6月25日に文書を発表し、全面的な自粛を継続するよう求めた。

遠隔形式が困難な専門科目のみ

専門科目について6月19日付の発表で京大は、オンラインでの実施が困難な授業を7月10日から対面形式で実施すると発表した。それに先立ち、6月22日から資格の取得に関わる授業に限って対面形式を解禁し、7月1日からはこれに加え、屋外での少人数授業を対面で実施するとしている。なお、全学共通科目については4月16日時点で、前期いっぱいすべての授業で対面形式を実施しないと通知している。

対面授業の再開にあたって京大は、学内向けに感染対策マニュアルを作成したという。授業の実施に向けて各学部・研究科は、マニュアルをもとに感染症対策を進める。なお、マニュアルについて京大は本紙の取材に対し「ホームページなどで公開はしない」と回答している。大学の再開を巡っては、京都府が5月27日に「大学等の再開に向けた感染症拡大予防のためのガイドライン」を作成し、各大学に対し具体的なマニュアルを策定するよう求めた。

府のガイドラインでは、段階的な授業再開や講義室の少人数利用のほか、検温や消毒を実施するよう定めている。検温に関して京大は本紙の取材に、「体調の不調を感じた場合は、検温したうえで何らかの症状があれば欠席するよう周知する」と回答し、全員に検温の実施を求めることはないと説明している。消毒体制については、「定期的に授業場所のアルコール消毒を実施する」と回答した。

また、課外活動について京大は6月25日、川添信介・学生担当理事名義で文書を発表し、引き続きすべての活動を自粛するよう求めた。川添理事は文書の中で「課外活動の多くは感染拡大のきっかけとなる蓋然性が高い」と説明した。加えて、「課外活動には教育的な意義がある」と必要性を認めつつ、対面授業の全面的な再開に至っていない状況をふまえ、「授業以上の慎重さが求められる」と理解を求めた。自粛要請の解除について京大は、本紙の取材に対し4月28日時点で「授業に先立っての解除は予定していない」と説明しており、改めて6月25日時点で方針に変更はないと回答した。

7月1日1時30分配信

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