【解説③】広場に関する話し合い 西部構内視察と第2回意見交換会(2020.04.16)

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京大吉田キャンパス西部構内にある広場の将来的な利用方法を巡り、これまでに2回、学生と理事らによる意見交換会が開催され、検討が進められている。ここでは、理事らによる西部構内の視察と第2回意見交換会でのやりとりを記録する。それまでの経緯については、【解説①】【解説②】を参照のこと。(村)

3月26日、川添信介・学生担当理事らが広場やその付近の課外活動施設を視察した。直後には、西部構内で活動する立場から検討を進める学生有志らと、2回目となる意見交換会を実施した。会には大学から川添理事や佐藤健司・理事補ら6名が出席し、学生側は9名出席した。学生側の参加者について、川添理事は前回より数人増やすことを認めるとしていたが、新型コロナウイルスの感染予防の観点から、座席の間隔をあけるために前回より少ない9名に絞ることとなった。なお、視察では大学から6名に加えて施設・財務担当の佐藤直樹理事、総務担当の平井明成理事らも同行したほか、学生側は各施設で使用者が待機して運営状況の説明に当たった。

理事ら 西部構内を視察


まず理事らは西部講堂(※1)を訪れ、中に入って広さや設備を確認した。続いて講堂裏に回り、有機農業研究会が使用する畑などを視察した。構内北側に移動してプールを見た後、体育館へ進んだ。各階を回り、学生はトレーニングルームが狭いことやメインフロアの使用枠に空きがほとんどないことを説明した。

広場に戻り、自動車部が使用するスペースを確認した。広場について川添理事は意見交換会の中で、「自動車部のスペースの広大さに驚いた」との感想を述べた。自動車部に対して、「現時点で今のあの場所はダメだと言うつもりはない」としたうえで、宇治・桂キャンパスへの移転の可否を尋ね、部の担当者は「吉田キャンパスで確保したい」と答えた。

最後に理事らは課外活動棟(※2)へ向かった。棟内では、共用倉庫(※3)や吹奏楽団の部室、予約制の防音室を確認し、意見交換会の開催場所となる共用室(※4)に到着して視察を終えた。防音室は、西団連(※5)の幹事団体が主催する予約会で各団体が使用日を調整している。その運用状況について川添理事が意見交換会で尋ね、学生が吹奏楽団と軽音楽部しか使用を希望する団体がないと説明したところ、川添理事は「広報がきちんと行われているか」と疑問を呈し、同じく予約制の共用室とあわせて「学生全体のために公平に使われているかに関心がある」と述べた。

※1西部講堂…西部構内広場の奥に位置する厚生施設。ライブ、演劇、映画上映会など様々なイベントを開催しており、自治により管理されている。使用する学生団体の課外活動場所でもある。
※2課外活動棟…3階建て5棟からなる建物。大学公認団体のうち申請が認められた団体が部室(ボックス)として使用できる部屋があるほか、予約制の共用室や防音室などがある。
※3共用倉庫…西団連加盟団体が倉庫として利用している部屋。西団連の会議で割り当てを調整する。数に限りがあるため、複数団体で一部屋を分け合うなどして対応している。
※4共用室…全学公認団体が会議などで使用することができる予約制の部屋。
※5西団連…正式名称は西部課外活動施設使用団体連絡協議会。各種会議を開催し、共用スペースの予約の調整・管理を行う。4月16日現在、61団体が加盟している。

第2回意見交換会


第2回意見交換会では、第1回の際に川添理事が対応を求めたことについて学生が応答したほか、学生からの要望に対し理事が改めて見解を示した。そのほか、今後の進め方や学生側からの質問事項、喫緊の課題として新型コロナウイルス対策にも話が及んだ。以下では、やりとりの一部を、双方合意して録音された音声データをもとに掲載する。

参加団体 恣意的でないか

川添理事:(前略)いずれ大学として(広場の使い道を)決めるときに、意見を聞く学生の団体の位置づけが今のままでいいか心配。誰が参加していないか、それが恣意的でないか。意見の持つ重みをどう捉えるかがいずれ問題になるかもしれない。今の時点では問題視していないが、もう少し公式な学生の団体としての身分を得たところと話し合いをして、大学として決定したい。

新型コロナ対策 甘い

川添理事:それと、本来の目的ではないが、コロナウイルスの問題について、この建物、西部講堂や体育館を含めてどういう対策をとっているか聞きたい。そちらの方が喫緊の課題として気になっているので。

学生:事前にアンケートをとった。(注1)各団体、マスクをつける、距離をとる、アルコール消毒液を使用するなどしている。卒業公演、追い出しコンパ、合宿などを中止した団体もある。熱っぽい人は必ず休みを取るように周知している。ただ、課題はマスクや消毒液が手に入らないこと。そういった中でできるだけの対応を各団体でしている。

川添理事:今、密閉空間で密集する、近距離で話をすることが三要素と言われているが、この建物がそういう観点から見てどうなのか関心がある。個々の部室はともかく、この共用のスペースの使用に制限を設けているか。

学生:西団連から制度として制限をかけることはしていない。

川添理事:やるつもりもない?

学生:今のところは各団体が各自の意思で自粛している。

川添理事:ちょっと甘くないか。卒業式(注2)のときも、クスノキ前であれだけ人が集まった。そういうあり方は困ると思っている。何考えているんだろうと言われてもおかしくない。別に仮想のことを言っているのではない。外で密閉空間ではないとはいえ、狭い空間にたくさんの人が喜んで集まっている姿が、クレバーではない、そう見られてもおかしくない。

同じことがこの建物の使い方にも言える。ちょっと甘く考えていないかと。西団連はなにかを言える団体ではないのか。学生の自治の根幹だと思う。そういう機能は持っていない?

学生:西団連は全会一致が原則なので、意思決定に時間がかかる。今期の幹事団体(※)ではないので事情は分からないが。
※西団連は、各種会議の開催などを担当する11の幹事団体を半年ごとに選出している。

川添理事:事態の推移は不透明だが、4月からの授業は新しいやり方になる。やはり課外活動は別だとは言えない。京都大学の学生諸君の活動の一環なのだから、ある種の制限を求めざるを得なくなることはある。

もちろん自主的な活動であることは分かっている。しかし大学が提供する施設で活動しているわけだから、大学に責任があることは確か。無責任な立場はとれないので、課外活動について、すでに新歓活動で慎重に考えてくれとお願いしているが、さらにもう一段階上げなければならないかもしれない。(注3)

そんなことをしなくても、君ら自身が自分たちでやると言ってくれればそれで済むのかもしれないが、なかなか学生諸君でやるのが難しいようだったら、大学として方針を表明しなければならない。ちょっと今の反応では、西部構内の関係者として、危機意識に基づく共同の方針を持つつもりはなさそうに見えるので心配。これから頑張って自分たちでやるか。

学生:現状では各団体に任せる形になっている。各団体ではやれることをやっているが、たしかに西団連という組織として、特に共用のスペースに関しては、なるべく早く対策を定めないといけないと思う。運営の状況を考えながら決める必要があるので、自分たちでやっていけるようにすぐにでも呼びかけたいと思う。(注4)

川添理事:もちろん自主的な活動だからそうあるべきだと思う。

スピード感のなさに驚き

川添理事:ただ、この話し合いのときでもそうだが、状況がひっ迫する中で学生諸君の意思決定のスピード感のなさには驚く。これは別の話だが、(前回の意見交換会で)次(西部構内を)見にいきたいと言って設定されたのが数カ月後だった。この前話し合ったのが1月。4月前になって2回目。そんなテンポなのかなと。(注5)(新型コロナウイルスの感染拡大は)それよりもっと緊急な事態なのだから、学生諸君のテンポ感、スピーディに物事を決定して動けるのかが気になっている。大学としては待っていられないということは考えておいてほしい。

それから今日は体育館も見せてもらって、わりと能天気に練習しているとも見えるが、本当にあれでいいのか、体育会として考えてほしい。

学生:すぐに対応する。体育会として新歓や感染防止に関する宣言を出す。

川添理事:それはぜひやってほしいと思う。新歓についても、近づいて勧誘してビラを渡すというやり方は、今のウイルスの状況からすると許されない。新歓は部の存続にとって極めて重大であることは承知しているつもりだが、命あってのもの。京都大学として負っている社会的な責任のほうが大きい。

佐藤理事補:部の形態がそれぞれ違うと思うので、上からこうしろと指示するのは難しいかもしれないが、西団連なり体育会でまとめて促すことはできると思う。やはりテンポ感が必要。

学生からの質問事項

◎広場の工事
学生:広場が工事で使われている状況は今後も続くか。
※広場内南東の一角が工事車両用のスペースとして利用される状況が続いている。

職員:おそらくここ1、2年は続く。

川添理事:工事車両のためのスペースがとれず、貴重な場所になっているので、施設部としてはあそこをキープしておきたいと思っているはず。

◎大学側の引き継ぎ
学生:理事は9月末で任期を終える。引き継ぎをお願いしたい。

川添理事:それはもちろん。引き継ぎと言っても事実を伝えるだけで次の理事の判断になるが、方向性は伝える。

◎125周年記念事業
学生:125周年記念事業で、留学生との交流のための施設(注6)の候補地に西部構内がなっているのか。

川添理事:具体的な建物を考える委員会などで挙がっているわけではない。しかしながら、検討にかけるための一般的な可能性としては、西部が含まれているということは言っていいと思う。

◎学生側の動き
学生:学生側の集まりを公式なものにする必要が出るという話があったが、それは大学側の動きとも関係する。

川添理事:どこかで大学が責任を持つ形で決めなければならない。その時には大学として正式なステップを踏む。もちろんいろいろな意見を聞いたうえで決定しなければならないので、どういう相手方の意見を聞いたのかが重要な要素になる。何をもって公式とするかは難しいが、常識的に、どれだけの関係者がきちんと意見を述べることができるのか、そういう団体としてのあり方を見て、多くの学生諸君の意見をまとめた団体だと判断できるかということ。

◎今後の見通し
学生:今年9月末の山極総長の任期終了までに、西部構内が新施設建設の具体的な候補地になる可能性があるか。

川添理事:何とも言えない。必ずそうするつもりがあるわけではないが、排除もしない。次の総長に交代していろいろなことが変わる前にこれだけは決めたいという気持ちがないわけではないが、実現する見通しがあってのことではない。

次のやりとり考える

川添理事:次は少し時間を置かせてくれないか。コロナ関連で忙しいということもあるが、要望を聞いたうえで、次にどういうやりとりをできるか少し考える。大々的な会を開くかどうか。

話し合いたいことがあれば、お互い遠慮しないで伝えるということだけ確認できればと思う。次いつ開くかは今日の時点で決めない。いろいろな動きがあるだろうから、単なる情報交換会でも、あるいは何か決める、特別な論点にしぼって意見交換したいなどでもあれば言ってほしい。(了)

意見交換会後の動向


意見交換会を受け4月8日と15日、学生側の話し合いの第13、14回目がオンラインシステムを用いて開催された。学生有志は、より多くの意見のすり合わせに向け、すべての全学公認団体に呼びかけることを決定した。準備できしだい周知し、次々回以降のオンライン会議への参加者を募るという。今後、会議の中で新たな参加者にこれまでの検討状況を説明する時間を設けたうえで、各団体の要望を改めて出し合い、すり合わせを進めるという。

【編集部注】
注1
事前に大学から新型コロナウイルス対策について話し合いたいとの提案があったため、学生側は出席予定者の間でアンケートを実施し、所属団体での取り組みをまとめた。

注2
3月23日と24日、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて卒業式が中止となったものの、学位記の授与は実施され、時計台前は卒業生や関係者で賑わった。

注3
意見交換会の5日後、川添理事は文書で学内団体に課外活動の全面的な自粛を要請し、課外活動施設を原則使用停止とした。

注4
意見交換会翌日の3月27日、出席者が西団連加盟団体に対して理事の見解を報告し、幹事団体が対応を検討したものの、3月31日に大学が課外活動施設を原則使用停止とするに至ったた。

注5
1月17日の第1回意見交換会後、視察の日程として学生は、試験期間後に案内場所を調整することを見据えて2月下旬以降を希望したところ、大学が第一希望として3月26日を提示し、その日に開催することに決まった。

注6
京大は創立125周年を迎える2022年に向け、記念事業を進めている。その一つとして、留学生や外国人研究者との交流を行う施設を整備することを公式サイトで表明している。

4月19日16時配信

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