【解説②】広場に関する話し合い 第1回意見交換会(2020.04.16)

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京大吉田キャンパス西部構内にある広場の将来的な利用方法を巡り、これまでに2回、学生と理事らによる意見交換会が開催され、検討が進められている。ここでは、録音データの書き起こしを掲載し、第1回意見交換会でのやりとりを記録する。開催までの経緯については、【解説①】を参照のこと。(村)

第1回意見交換会 川添理事の見解


1月17日10時から、京大国際交流セミナーハウスで意見交換会が行われた。大学からは川添信介・学生担当理事や佐藤健司・理事補ら6名が出席し、学生側は大学の意向を受けて出席人数を10名に絞り、氏名や各団体での役職を名乗った。意見交換会では、川添理事が西部構内に関する見解を述べ、その後、学生が現時点での要望を提案するという流れで話し合われた。双方同意のうえで記録された音声データをもとに、以下に川添理事の見解の書き起こしを掲載する。

課外活動に資する形で

川添理事:まず西部構内について、貴重な場所であって、大学として今より有効に活用したいという思いがあることは間違いない。ただ、監事の意見(注1)は学内で共有されているが、それに従って早速、具体的な案を大学が持っているわけではない。だからこういう場を設けて意見を聞きながら、一番良い使い方を考えたい。

広場を何に使うかはいろいろな可能性があるが、私の立場は学生の支援。その一つが課外活動。課外活動は学生諸君にとって重要で、教育の一環でもある。今は不十分だという認識は持っているので、それに資する形で、西部構内をより充実した有効な使い方ができればと私は思っている。ただそれが大学全体の意思であるかということとは別。

【編集部注1】
昨年6月に学内の監事監査に関する報告書がまとめられ、西部構内の広場について、「有効に活用する必要がある」との見解が示された。

使っている人から意見を聞きたい

それと、私の担当は学生支援全体なので、すでに使っている学生諸君だけでなく、より広く学生一般にとって有効で意義のある使い方を考える義務がある。要望書(注2)の中で「既得権ではなく」と言ってくれているのはありがたい。やはり京都大学全体、主に学生のためにどういうあり方が良いのか考えたい。実際に使っている立場の人から意見を聞きたいし、それをもとに、いずれは何らかの策を大学として出さないといけないと思っている。

【編集部注2】
意見交換会用の資料の中で学生は、「『既得権』の主張ではない」と説明し、広く学生に呼びかける方針を示した。

建物が欲しいという話も

もう少し具体的な側面を言うと、京大は再来年(2022年)の創立125周年に向けて記念事業を行う。その中で、いわゆる「箱物」中心にはしないというのが大学の基本的な方針。100周年のときには、時計台の大改修などいろいろな箱物をつくったが、125周年では違った形でのお金の使いどころを考える。

しかし、大規模ではないが、国際交流など125周年記念事業の拠点になる建物の建設を考えているのは確か。まだ詳細は決まっていないが、1つの候補地として西部構内はあり得るという話は内々には出ている。

つまり、一般論として西部構内をより有効に使うべきという監事意見にあるような議論と、もう少し具体的な125周年に関わった建物が欲しいという話と、両方絡んでいる。だからまだ具体的な案を我々から提示できるわけではないということを理解してほしい。その意味で白紙。各団体から出されている意見はもちろん参考にしたい。

いつになるか分からないが、学生側の意見を集約してほしいという時点を区切るかもしれない。まだその段階ではないのですぐに求めるつもりはないが、いずれはそういうことになる可能性がある。

課外活動棟だけではない

それと、参加団体をこれからも募るとのことだが、西部構内と言っても、広く考えると体育館、プール、広場、西部講堂、生協ルネ、いろいろな関係者がいる。そういうこともあわせて考えないといけない。大それた計画をすでに持っているわけではないが、理論的には、広場に関係するのは課外活動棟(注3)だけではないということ。全体が問題になってくる。もちろん、直接利害を持っていることについて意見をもらえればいいが、大学としては、それは西部構内にとって部分的なものだという理解をせざるを得ない側面はある。

【編集部注3】
課外活動棟…西部構内にある3階建て5棟からなる建物。大学公認団体のうち申請が認められた団体が部室(部室)として使用できる部屋があるほか、予約制の共用室や防音室などがある。

現地視察について

私自身、この問題に関わる立場として、一度みなさんが使っている施設を直に見たい。時期などは詰めていないが、ぜひ実現する方向で、西部構内全体を見たいと思っているが構わないか。見もしないで考えるわけにはいかない。個々の部室をのぞき込むつもりはないが、特に共用の部分について具体的なイメージを持てていないので、実際に見てみたいという気持ちは強い。

学生:会議に通せば問題ない。日程を決めてもらえれば案内する。

川添理事:みなさん方の手続きをとって日程の候補を挙げてもらえれば調整する。

西部講堂に一般客 中断してほしい

もう一つ申し上げておきたい。西部講堂(注4)の問題。西部講堂については、いろいろな歴史的経緯やそれぞれの見方があると思う。吉田寮の問題もそうだが、やはり、あそこで公演をして一般の学生諸君や市民の方々を入れる公共的な空間として今も使われていると理解しているが、それが私としては本当に怖い。何かあったら大学が責任をとらざるを得ない。いろいろな経緯があるにしても、地震が起きてけが人が出たら、法的には今のような使用を許可していると理解されるに違いないので、それは私としては怖いことだと思っている。(注5)

だからこの問題で、西部講堂やその機能をどうするかは考えないといけないが、さしあたり、私的な練習場所ぐらいは仕方ないとしても、公的なパフォーマンスの場所として一般のお客さんを入れる使い方については、少し中断してもらえないかという希望を持っている。これは大学として決定したわけではなく私の希望だが、検討してほしい。何かあったら本当に怖くて仕方がないというのが私の思い。全体を見ながら考えるとそういうことも重要な問題だ。これもすぐにではないが、一定の検討結果を知らせてもらえればと思っている。もちろん明日地震が起きるかもしれないし、早いほうがいいが。

学生:講堂の使用団体に聞いたところ、現在の講堂を補修、補強して使いたいという意見が一番多い。これらの施策を具体的に実現するために、期間を定めて講堂の使用を停止することも考える。

川添理事:文化財的な意味で重要、あるいはイベントスペースのあり方として他にない唯一無二のものだ、という理解もありうると思う。一方で、学生全体に開かれた有効な使われ方かということに関してもいろいろな意見がある。検討したい。使用の実態を我々が十分に把握できていない。検討する場合にはデータが必要になるので、準備してもらいたい。

佐藤理事補:空間を重視するのか、建物自体を維持したいということか。

学生:外観に愛着のある人がいるので極力維持したいが、第一としては空間が重要。

川添理事:その場合の空間と言っても、ああいう土間で、市内の他のホールではできないような演出ができることが大事なのか。

学生:そこが一番大事になる。演劇でいろいろ自由に組み立てたり、そういうことができる場所は貴重なものであると考えている。

川添理事:実際上は建物と一体化した空間でなければならないという面がある。

【編集部注4】
西部講堂…西部構内広場の奥に位置する厚生施設。ライブ、演劇、映画上映会など様々なイベントを開催しており、自治により管理されている。使用する学生団体の課外活動場所でもある。

【編集部注5】
西連協の担当者は西部講堂について、老朽化に伴う補修、補強が必要だとしたうえで、伝統的構法が用いられており構造的に安定していると説明している。加えて、大学側が耐震性に問題があると認識していることについて、その根拠とする耐震診断は鉄筋コンクリートの建物に適用される基準によるものだとして、寺社仏閣などに用いられる耐震診断を取り入れるよう大学に提案している。

未来志向で

私も西部構内に関わるいろいろな経緯や事情について、間接的な情報だが承知している。もちろん、現状どうかということは無視できないし、現状がそうなっている過去の歴史は消せないが、未来の京都大学や学生のために、と考えたい。過去のことは何も知らないぞと言うつもりはないが、いろいろな事情や経緯を承知したうえで、未来志向でものを考えたい。みなさんも、西部構内には難しい問題があるとは思うが、そういう発想で、これからのみなさんの中での協議や我々との協議を進めてもらえればと願っている。

それでは、私らが訪ねて案内してもらった後に、見た感想などを意見交換する場を次に開くということでいいか。

学生:はい。

川添理事:今日は10人だけにしてくれと言ったので来られない団体があったかもしれない。大人数のいわゆる団交は困るが、10人を多少超えるのは、名前を明らかにしたうえで参加してもらえるなら構わない。(了)

【解説③】広場に関する話し合い 第2回意見交換会 につづく


4月19日16時配信

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