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京都市動物園と連携 野生動物研究センター

2008.05.01

京都大学と京都市は、野生動物の保全に関する教育・研究の連携協定を締結、4月18日、京都市動物園にて発足式を行った。京大からは尾池和夫総長、伊谷原一・野生動物研究センター長らが出席、京都市の門川大作市長らと協定・連携事例の確認をした。

今回の協定は、市の動物園と4月1日に発足した京大の野生動物研究センターをそれぞれ中核とし、動物園における野生動物保全に関する研究、及びその教育への活用について連携を図るのが目的。動物園で飼育する野生動物の研究や、絶滅危惧種の保全、来園者に向けた環境教育や生涯学習などに協力して取り組む。

挨拶に臨んだ門川市長が「野生動物から学ぶべきことは多い。研究者だけでなく、来園者が命の大切さや地球環境について考えられるような取り組みをしていきたい」と話すと、尾池総長も「私も孫と一緒によく来園するが、子どもたちが動物との共生を感じられるような環境にしていきたい」と応じた。

京都市動物園では来年3月までを目標に、類人猿舎の改修を目指しており、センターの拠点の一つである「チンパンジー・サンクチュアリ・宇土」から4頭のチンパンジー導入が決定している。類人猿舎にはチンパンジーの「勉強部屋」(図)の設置も計画されており、霊長類研究所で培った研究方法も応用しつつ実践していくという。京大と動物園との連携協定は愛知県名古屋市の東山動物園との締結につづいて2件目。

《本紙に写真掲載》