京大 新たに寮生25名を提訴 吉田寮現棟明け渡し求め(2020.04.16)

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昨年4月に京大が吉田寮現棟の明け渡しを求めて寮生20名を提訴した問題で、3月31日、京大は新たに25名の寮生を相手取って同内容の訴訟を京都地裁に提起した。京大によると、昨年4月および今回提訴した者以外の寮生は、すでに現棟からの退去が確認されているという。提訴を受けて吉田寮自治会は4月6日、抗議声明を発表し、新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることをふまえて「非人道的」と京大当局を批判し、訴訟の取り下げを求めた。

現棟については、昨年1月と3月の2回、京都地裁が京大の申し立てを受けて占有移転禁止の仮処分を執行し、80名が居住していることが確認された。これを受けて京大が改めて居住状況を確認し、昨年4月26日、20名を提訴した。その後も残り60名の調査を続け、該当者に現棟からの退去とそれを示す報告書の提出をメールや文書などで繰り返し求めたという。今回、役員会での決議を経て、退去報告書を提出していない25名を提訴した。他35名について京大は本紙の取材に対し、「退去報告書の提出があるほか、明らかな退去の事実が確認された」と回答した。

寮自治会 「非人道的」京大当局を批判

新型コロナウイルス感染症が流行し、寮でも感染拡大の予防が急務となっている。こうした状況で京大当局が提訴に踏み切ったことを受け、4月6日、吉田寮自治会が抗議声明を発表した。感染症対策は「寮生のみならず近隣住民の生命にもかかわる問題」だとし、その対応が訴訟により手薄になると指摘した。今回の提訴を「非人道的かつ著しく公共性を欠く行為」と批判し、京大当局に訴訟の取り下げを求めた。提訴の時期について京大は本紙の取材に対し、「感染拡大防止は最重要」としたうえで、「手続きの流れからその日になった」と説明した。「即刻の退去を求めていることに変わりはなく、感染拡大防止の観点からも提訴を遅らせるべきではない」と判断したという。

提訴翌日の4月1日には、吉田寮自治会が感染予防に関して京大に協力を求める文書を発表した。寮自治会は文書の中で、大学が寮生名簿の受け取りを拒否するなど「大学との連携ができていない」と説明し、消毒液やマスクの支給、名簿の受け取り、寮自治会との協議の3点を要求した。協力要請について京大は本紙の取材に対し、「把握しているが対応は検討中」と回答した。

昨年4月に京大が提起した訴訟は、これまで3回の口頭弁論が行われている。3月11日に第4回弁論が予定されていたが、新型コロナウイルス感染症の流行を受けて延期となった。書面での手続きは進められており、次回弁論は5月27日15時から京都地裁で行われる予定だ。今回京大が提訴した25名について、進行中の訴訟に併合して弁論を進めるかどうか京都地裁が判断するという。

【解説】訴訟までの経緯

吉田寮を巡っては、2017年末に京大当局が文書を発表し、現棟の老朽化を理由に入寮募集停止および2018年9月末までに現棟と新棟から退去することなどを求めた。2018年7月と8月には、寮自治会と川添信介・学生担当理事による少人数での話し合いが行われたが、京大当局は「建設的ではなかった」としてそれ以降の交渉を拒否した。寮自治会は交渉の再開を求め、退去期限とされた2018年9月末以降も一部の寮生が現棟で居住する状況が続いた。

昨年2月12日、京大当局は現棟とその周辺を立ち入り禁止とすることを通告したほか、大学の示した条件を受け入れれば新棟からの退去は求めないと発表した。これを受け同年2月20日、寮自治会は交渉の再開や寮自治会による点検の実施などを条件に現棟から退去すると表明した。しかし京大当局は条件を問題視して要求を受け入れず、昨年4月26日、現棟の明け渡しを求めて寮生20名を提訴した。

4月16日14時配信

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