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京大病院 看護師を懲戒 院内でわいせつ行為

2019.10.01

京大病院は9月24日、院内で複数名にわいせつ行為をしたとして、看護師1名を懲戒解雇としたと発表した。処分は同日付。24日時点で刑事告訴はされていない。京大病院は24日までに被害が特定できた1名に謝罪した。

京大病院によると、懲戒処分を受けた看護師は昨年12月から2月にかけて、京大病院内で患者4名と来院者1名を盗撮し、このうち患者1名に身体的接触をしたという。身体的接触については、患者から被害の訴えがあったが、当初看護師本人が否定していたため、担当看護師を変えるなど部局内の処理で済ませていた。ほかの4名について京大病院は被害者を特定できていないという。

看護師は今年4月、京都市内のコンビニで女性を盗撮した疑いで6月に書類送検されていた。その捜査過程で盗撮したとみられるデータが見つかり、8月に看護師本人から京大病院に報告があった。京大病院が院内での盗撮について調査委員会を設置し、聞き取り調査をする中で、看護師が身体的接触についても証言した。看護師は京大病院の調査に「興味本位だった」と述べていたという。京大の人事審査委員会が審議し、処分を決定した。

京大病院は24日開いた記者会見で、今回のわいせつ行為を「全国の真摯に勤務している看護師に誤解を与える行為で、許しがたい怒りを感じている」とコメントした。

京大病院は盗撮したとみられるデータの存在について「捜査当局から連絡があったが、実物は確認していない」と説明している。また刑事告訴前の懲戒処分については「身体的接触について、看護師の証言と患者の証言が一致したことから、事実と判断したため」とする。

京大病院は今後の対策について、職員への教育徹底とあわせ、患者からの同様の訴えがあった場合、病院長直属の組織を設け調査するよう対応を検討したいという。また被害者が刑事告訴を行う際には「協力する」とした。