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花山天文台の支援財団設立 民間企業が1億円寄付

2019.05.01

資金難により運営継続が困難になっていた京大大学院理学研究科附属花山天文台の支援団体として、一般財団法人「花山宇宙文化財団」が4月1日に設立された。建設機械メーカーである(株)タダノが1億円を天文台に寄付することが決まったためだ。これにより天文台の運営を継続するめどが立った。
 
財団は、天文台の歴史的施設を保存し、教育活動に活用することを目的とする。今後の天文台の活用に向けて、見学の受け入れ拡大や宇宙科学館の設置などの構想を掲げている。
 
京大は、2018年に完成した岡山天文台の光学赤外線反射望遠鏡「せいめい」に花山天文台の運営費を全額移すことを決めた。花山天文台を存続させるため、2017年に尾池和夫・元京大総長らが「花山天文台の将来を考える会」を立ち上げ、寄付を募っていた。タダノから寄付の申し出があったため、「考える会」を拡大し、財団を設立したという。
 
タダノは創業100周年記念の社会貢献事業の一環として、花山天文台の年間の運営費1000万円を10年間にわたって寄付する。
花山天文台(京都市山科区)は1929年に設立され、太陽の観測などで天文学研究に貢献してきた。毎年一般市民を対象とした観望会や講演会を開催するなど、天文学の普及活動にも取り組んでいる。