京大の植民地主義を問う 遺骨問題企画展シンポジウム(2019.04.01)

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3月16日、京都市南区の地域・多文化交流ネットワークセンターで、柳原銀行記念資料館での企画展「奪われた骨 奪われた人権」の開催を記念したシンポジウムが開かれた。琉球遺骨返還訴訟原告の玉城毅さんやピリカ全国実・関西の木村敬さんが、京大が遺骨の保管を続けている問題について、植民地主義や民族差別といった観点から講演した。

京大は、総合博物館などに少なくとも琉球遺骨26体とアイヌ遺骨を87体を保管していることがこれまでの調査で分かっている。これらは、旧京都帝国大学の研究者が、それぞれの民族の墓を掘り返して収集したものだ。

玉城さんらは昨年12月、京大が保有する琉球遺骨の返還を求めて訴訟を提起した。それまで、京大に対して、文書での申し入れを通じて、遺骨の実見や返還を求めてきたが、拒まれたためだ。玉城さんは今回の訴訟の意義を、傷つけられた尊厳を回復することだと述べる。琉球において遺骨は、骨神として祀られる祭祀の対象だ。そのような民族にとって大切な遺骨を、1920年代に金関丈夫・京都帝国大学助教授は墓から持ち出したのだった。金関は、当時の県庁や県警から許可を得て、墓に立ち入ったと記しており、今回の訴訟において被告の京大は、許可を得た持ち出しに違法性はないと主張している。しかし、当時の沖縄は、天皇崇拝を強制させられたり、民族の言葉の使用を禁じられたりと、植民地のような差別的扱いを受けており、行政も住民を尊重していたわけではない、と玉城さんは指摘する。また、2017年以降、松島泰勝・龍谷大教授が、琉球遺骨について問い合わせた際に、京大が「個別の問い合わせには応じない」として、文書での回答や担当職員との面会をも拒む対応をしたことについて、「対等な人間として扱っていない」と玉城さんは述べた。そして、今後の返還運動について「京大に傷つけられた尊厳を回復するために謝罪を勝ち取りたい」と思いを語った。 

木村さんが関わってきたピリカ全国実・関西は、2012年から、大阪大学、京都大学に対して、保管する遺骨の情報開示や返還を求める申入書を提出してきた。木村さんによれば、こうした活動は、差別的な研究を行い今もなお不誠実な対応を続ける大学の責任を問うものだ。京都帝国大学医学部の清野謙次・教授は、1920年代に遺骨を収集し、それを基に「古代人骨の研究に基づく日本人種論」などの論文を作成した。当時取集された遺骨の一部は、現在も京大総合博物館に保管されており、文科省の調査で87体が保管されていることが判明しているものの、京大は、当事者の求める返還や謝罪を拒んでいる。木村さんは、アイヌ民族の遺骨が、当時の政府の下で、強制的に移住をさせられるなど民族の権利をないがしろにされた状況で持ち出されたものであることや、大和民族の優位性を示すための優生学的研究に使われてきたことを指摘し、今後同様の差別的研究が行われないために、歴史を掘り返して責任を追及していくことが必要だと述べた。

今回のシンポジウムは、京都市下京区の人権資料展示施設、柳原銀行記念資料館で3月1日から31日まで開かれている企画展「奪われた骨 奪われた人権 アイヌ民族~琉球民族~部落」の開催を記念して催された。企画展では、金関、清野らの論文や紀行文を含め、遺骨問題に関する資料やパネルが展示されている。(小)

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