遺骨保有 京大「問題ない」と主張 琉球遺骨返還訴訟始まる(2019.03.16)

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京大の保管する琉球民族遺骨の返還を求める訴訟の第1回口頭弁論が8日、京都地方裁判所で開かれた。原告は、遺骨を持ち出し保管し続ける京大が、琉球民族の信仰を妨げ自己決定権を侵害していることを指摘し、改めて返還を訴えた。一方京大は、遺骨の持ち出しや保有に法的な問題はないと主張している。

訴訟は、沖縄県今帰仁村の百按司墓から、1929年に金関丈夫・京都帝国大学助教授が持ち出した遺骨について、原告が返還と損害賠償を求めて昨年12月に提起した。京大は2017年に26体の遺骨を保有していることを認めており、墓に埋葬されていた王家・第一尚氏の子孫や松島泰勝・龍谷大教授ら原告5名が、その違法性を訴えた。

今回の口頭弁論では、まず原告代理人が、事前に提出した訴状の要旨を述べた。京大が遺骨を墓から持ち出して研究対象として扱っていることは、琉球民族としてのアイデンティティを侵害するものだと主張した。訴状によれば、琉球では先祖の骨を「骨神」として礼拝の対象として崇拝する慣習が存在し、憲法第20条が保障する信仰の自由や、国際人権法が認める少数民族の自己決定権から、遺骨返還を請求する権利がある。また、原告は遺骨の祭祀継承者に当たり、民法897条からその遺骨所有権は認められる。

また、百按司墓に埋葬されたかつての王族・第一尚氏の末裔で原告の亀谷正子さんからの意見陳述もあった。亀谷さんは、遺骨返還を巡る京大の対応には、琉球・沖縄人全員が侮辱・差別された気持ちになると話した。さらに、琉球・沖縄の人々が、先祖の霊と密に交流するために遺骨・骨神の存在が重要だと述べ、90年間遺骨が墓から持ち出され、そうした交流ができないでいることで「切ない気持ちになります」と訴えた。

一方、被告の京大からは、代理人弁護士2名が参加し、答弁書を提出した。答弁書では、遺骨を収集した経緯について「金関は、沖縄県庁の学務課担当者を通して人骨の収集についての手続を行い、また、沖縄県警察部長を通して諸般の手続を行った」と述べ、盗掘を否定した。また、百按司墓は「久しく祭祀承継者が絶えていた」として、原告の祭祀継承権を「根拠が不明」として、「本件人骨の祭祀承継者であると主張するのであれば、本件人骨はどのような人物のものなのか、及び、本件人骨の人物と原告らとのつながりを具体的に主張・立証すべき」と主張した。

今回の弁論には、地裁大法廷の定員を超える100名近い傍聴希望者が集まった。また、弁論後に弁護士会館で開かれた集会では、原告団から状況について報告と解説があり、支援を表明する多くの声が上がった。

次回口頭弁論は、5月17日午前11時から行われる。

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