東山魁夷展 心を描いた風景画(2018.09.16)

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京都国立近代美術館で「生誕110年東山魁夷展」が開催されている。東山魁夷は、主に戦後から活躍した日本を代表する風景画家。『道』『残照』『緑響く』など代表作が網羅された大規模な展覧会は、京都では約30年ぶりの開催となる。
本展は、東山が自身の人生の底から立ち上がり、画家としての出発点ともなった作品『残照』から始まり、彼の創作活動の拠点を遍歴するかたちで、北欧、京都、ドイツ・オーストリアを描いた作品、そして唐招提寺御影堂障壁画へと続き、晩年の作品で完結する。

京都で開催する本展のみどころの一つは、古都としての姿を追求し、四季折々の京都の風景や町並みを描いた「京洛四季」シリーズだ。習作約30点が並び、失われつつある古都の姿を残そうという東山の想いが感じられる。また、東山の一つの集大成である唐招提寺御影堂障壁画も、中国の壮大な山や海、河を大きな襖絵に描ききった圧巻の作品。10年の歳月をかけて完成された障壁画は、観る人に畏敬の念さえ抱かせるほどの圧倒感をもつ。

展覧会は10月8日(月)まで。一般1500円、大学生1100円、高校生600円。休館日は月曜日で、月曜日が祝日の場合その翌日となる。

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記者は本展を観る中で、ここでは単に東山の作品を鑑賞できるだけでなく、風景画を通して人間の心を追求した、孤高な人生の軌跡を追うことも目指されていると感じた。茨城県近代美術館長を勤める尾崎正明氏は「東山魁夷の絵に、人間の姿を見ることは稀である。しかし、そこには間違いなくその心が映し出されている」と解説している。たしかに、東山の絵は、静謐ながらあたたかい気持ちを観る人に感じさせる。描く人の心と、その心が追求したものが風景の中に内在的に描かれているからに違いない。本展に脚を運び、そうした東山魁夷の世界観を少しでも味わってもらいたい。(千)

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