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研究用原子炉 運転再開設備工事 3年かけて終了

2017.09.16

施設定期検査のため運転を停止していた京都大学研究用原子炉(KUR)に8月25日、原子力規制委員会から合格証が交付され、同月29日より運転を再開した。京都大学研究用原子炉(KUR)は京大原子炉実験所(大阪府泉南郡熊取町)の研究炉の一つで、2013年10月18日に施行された原子力規制委員会による試験研究用等原子炉施設の新規制基準への対応のため、2014年5月26日から施設定期検査期間に入り、運転を停止していた。以来、新基準を満たすための設備工事や変更が続けられていたが、今年8月25日に施設定期検査に合格した。これを受けて、同月29日よりKURを用いた教育研究活動を開始できるようになった。
KURはスイミングプールタンク型の原子炉で、炉心は20㌫濃縮ウランの板状燃料要素と黒鉛反射体要素からなる。熱の最大出力は5000㌔㍗と、発電用原子炉の数十万㌔㍗に比べてはるかに小さい。新規制基準の施行後では、高中出力の研究用原子炉としては国内で最初の運転再開となる。
京大原子炉実験所の研究炉は他に臨界集合体実験設備(KUCA)があり、2014年3月10日から運転を停止していた。こちらも今年6月20日に検査が行われ、翌21日から運転を再開している。