100年の人生に向けて 講演会「長時間労働の問題を考える」(2017.04.16)

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3月29日、芝蘭会館稲盛ホールにて、医学研究科等安全衛生委員会主催の講演会「長時間労働の問題を考える」が開催された。医学研究科・安全衛生委員会委員長の小泉昭夫教授が、過重労働による自殺や健康被害の問題と、その防止について語った。

小泉氏は、労働者が仕事上で悩みやストレスを抱える最大の原因は求められる仕事の質と量が多すぎることであると述べ、業務量が多すぎることや顧客の要望への対応の必要から、時間外労働が多くなりがちであることを指摘した。また、労働基準法の第36条の労使協定(36協定)が長時間労働を可能にしていると述べた。この協定を結ぶと、法定労働時間を超えて労働させることが可能になり、特別条項を定めることで、1年間のうち6ヶ月を超えない期間について、労働時間の上限をさらに引き上げることもできる。

続いて京都大学医学研究科の職員の労働時間の現状を述べた。京大病院や医学研究科では残業時間が最大で月80時間、年600時間に達し、特に12月頃から年度末にかけて多くなる。この時期は、文科省への報告や研究費の申請などの事務手続きのために、仕事量が増えるという。

また、過重労働の背景には熾烈な競争があり、その結果労働の質が低下するという弊害もある。大学では近年国からの財政的支援を減らされ、競争的資金獲得に労力を割かなければならなくなったため、研究の質が低下していると小泉氏は指摘した。

このような長時間労働の現状を変えるため、小泉氏は人生100年に向けた健康管理を提案する。人類の寿命は伸び続けており、その中で健康寿命をより長く保つには、100年の人生を見据えた健康管理が必要になるという。その健康管理の方法として、小泉氏は人とのつながりを持ち、自分が満足できるように生きるスピリチュアル・ヘルスの重要性を強調した。働き盛りの時期に過重労働で健康を損なってしまうと、長い人生を保つことはできない。一つの仕事に没入するのではなく、多様な働き方を意識しつつ、趣味や健康、人脈などを含めた資産を蓄えていくことで、個人も会社も共にスピリチュアル・ヘルスを維持するよう努力することが必要だと結んだ。(雪)

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