総博講演会 遠い昔の知識を受け継ぐ 「前近代における書跡・古文書修理の諸相」(2017.02.16)

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4日、京都大学総合博物館で講演会「前近代における書跡・古文書修理の諸相」が開かれた。横内裕人・京都府立大学文学部准教授を講師に迎え、古文書の修復に関する注意点や、前近代に古文書の修繕に尽力した人々の業績と当時の修繕方法を紹介した。

横内氏はまず、東大寺に伝えられてきた古文書を修理した経験について語った。修理の際に調べる中で、虫食いの穴が人為的に広げられていることや紙に刷毛で後から色を塗られていることが判明したという。この文書は明治時代に一度修繕をうけており、この際に損傷が目立たないように加工したのだと考えられるが、そのせいで従来の姿が失われてしまっていた。

続いて、前近代に行われた修理事業に言及し、現代まで残っている貴重な文献が昔から多くの人の手によって修繕され引き継がれてきたものだと述べた。中でも江戸時代の僧侶・賢賀によって修復された文献については、現状維持に重きを置いた修理方法が平安時代の原装の表紙を現代まで残すことにつながったとして、スライドを活用しながら詳しく取り上げた。

最後に横内氏は、いつの時代の人達も文献を補修する際にはより良い状態で後世に残そうと工夫を凝らしてきたが、その手法を評価するのは後世の人々なのだと主張した。そして、どうしてその修復方法をとったのかを伝え、文書の尊厳を残した形で次の世代に伝えていくことが貴重な史料の保存には必要なのだと締めくくった。

講演会終了後も、希望者のために博物館内の展示について詳しく説明があり、足を運んだ多くの人が閉館ぎりぎりまで熱心に説明を受けた絵画や文書を眺めていた。

本講演会は、総合博物館で12日まで行われた特別展「日本の表装―紙と絹の文化を支える」の関連イベントの一つにあたる。1月14日から2月11日にかけて土曜連続講演会が開かれたほか、京都文化博物館でも総合展示「日本の表装―掛け軸の歴史と装い」が同時開催された。(鹿)

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