山の地下水が孕む危険 春秋講義「森と水の恵みと土砂災害」(2016.11.16)

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3日、京都大学百周年時計台記念館で春秋講義「森と水の恵みと土砂災害―山に眠る地下水の事態と活用」が開かれた。登壇者は小杉賢一朗・農学研究科教授だ。山の地下水が人々にもたらす利害について語った。

樹木の生い茂る山は土壌に豊かな水を蓄えていることから「緑のダム」と呼ばれるが、小杉教授によるとこれは科学的に実証されたわけではないという。表層を薄く覆っているにすぎない土壌だけでは、長時間にわたって大量の水を留めておくことはできない。土壌の下に埋もれている岩石質の地盤にも高い保水能力があると思われた。

調査の結果、岩石の亀裂や砕けた箇所を通して、地盤にも多くの水が浸透し蓄えられていることが分かってきた。さらに、この地盤中の地下水が大規模な土砂災害に繋がっていることも明らかになりつつある。大雨などによって地下水位が高まると地盤は脆くなり、崩壊の危険が増すという。土壌ではなく地盤から崩れる「深層崩壊」は規模が大きくなりやすい。

小杉教授らは現在、深層崩壊を予防するため地下水を利用する事業の可能性を探っている。地盤までパイプを通して取水し、地盤中の水量を抑えつつ水資源として人々の生活に提供するというものだ。「山村の発展に繋げていきたい」と小杉教授は話した。

春秋講義は京都大学が毎年春と秋に開いており、季ごとのテーマに沿って京大の教授や研究者が講演する。今季のテーマは「山を知る」。(賀)

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