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内線 IP電話に移行へ 17年度 桂で実証実験

2016.11.01

学内内線のIP電話への移行を検討していることを情報環境機構が明らかにした。長期的なコストを削減するのが狙いだ。来年度、桂キャンパスと吉田キャンパスの間で試験的に導入し、本格的に移行するか検討する。

IP電話の接続網には、全学的なコンピュータネットワーク「KUINS」が用いられる。IP電話を利用するには、壁などに用意された接続口や無線LANからKUINSにIP電話専用機を接続する。KUINSに接続できる環境では、IP電話用のソフトやアプリを取り込むことで、個人のパソコンやスマートフォンからでも内線を利用できるようになる。

来年4月から1年間、桂キャンパスを中心に100人の教員や職員協力で試験的に導入される。実施後のアンケート結果を踏まえた上で、本格的移行に踏み切るか判断する。

IP電話に移行すると、教員が海外に出張していても内線を使えるなど利点があるが、停電時には使えないといった問題もある。従来の電話は停電時でも電話線が切れなければ電話局の自家発電装置やバッテリーで通話できたものの、IP電話は停電すると使えなくなる。またKUINSのネットワーク上でトラブルが発生した場合、通信に障害が出るおそれがある。KUINSでは、月に数件のトラブルが起きており、情報環境機構は運用体制の強化が必要だとしている。情報環境機構によれば、IP電話に移行することになった場合も、緊急時の連絡用として従来の電話はいくつか残すという。

IP電話はサーバーの使用で交換機のコストが抑えられることから企業などで導入が進んでいる。京都大学でも経費削減の必要性から情報環境機構が中心となってIP電話への移行を検討してきた。桂キャンパスでは、交換機の寿命が近づいており、交換機を新しいものに取り換えるには6千万~1億円弱かかることから、情報環境機構は移行を早期に進めたいとしている。