元国連事務次長・赤坂氏が講演 第65回京大未来フォーラム(2016.07.16)

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6月16日、第65回京大未来フォーラムが開催された。京大法学部出身の赤坂清隆氏が「国際機関で働く」と題し、外務省を経てOECD事務局の事務次長や国連事務次長を歴任した自身の経験をもとに、国際機関で働くことの意義を語った。

赤坂氏は「国際機関で働く日本人職員は少ない」と危惧する。外務省のデータによると、日本の国連予算分担率およそ10%に対し日本人職員の割合はわずか2・4%である。なぜ国際機関のトップポストを担う日本人が少ないのか。それは国内世論が国連に対して否定的で、政府も若手を送りだす努力をしていないからだという。ある調査では、多くの国際機関の本部が配置されているヨーロッパ諸国では国連が好意的に捉えられているが、常任理事国ではない日本では否定的な意見が多いという。しかし国際機関に日本の人間を送りだすことは、「国家戦略としても非常に重要なことだ」と赤坂氏は指摘する。

国際機関で働く日本人職員の数が予算の分担率に比べて極めて少ないことは、日本の国際的影響力低下の表れでもあると赤坂氏は問題視する。日本経済の縮小に比例して国連予算分担率の総額は減少している。これまで多くの国連事業を支援してきた日本だが、ODA出資も大幅に減少しており、それに伴い日本人が国際的な舞台で活躍することが少なくなり、日本の存在感が希薄になっているという。

国際機関の魅力

「国際機関の職場は実務的であってデスクワークだけでない」と語る。現場に赴いてワクチン接種を手伝ったり、実際に現場で人を助ける充足感を得る日々だ。人や国のために働くという使命感を得ることができ、多様な人々と接することで視野が広がる。昔はとても内気で恥ずかしがり屋だったという赤坂氏は、国際機関で働くうちに社交的になっていった。

国際機関を目指すには

国際機関で働くためには3つの方法がある。1つは公募空席ポストへの応募だが、世界中から応募があり倍率は200倍に及ぶ。2つ目は国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラムへの応募だ。しかしこれにも世界中から応募が殺到し、倍率はおよそ400倍近くになる。

そこで3つ目の方法として赤坂氏が強く推すのは、外務省JPO派遣制度だ。各国際機関に一時的に職員として修士号を取得している日本の若者を外務省が派遣する。経験を積めるだけでなく、人脈を構築できるという利点があり、正規職員として応募する時に選考過程で有利になるという。

国際機関で働くという夢は誰でもすぐに叶えられるわけではない。現に赤坂氏はすぐに外務省にて数年間経験を積んだ後に上司の推薦を受けて国際機関に派遣されることになった。しかし赤坂氏は大志を抱けと語りかける。「語学力と議論する能力を磨きつつ、自身の将来には長期的な展望を持ってほしい」と話した。(束)

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