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京大病院で火災 ヒーターの切り忘れが原因

2016.07.16

1日の18時15分ごろ、京都大学附属病院内の放射性物質を扱う実験室から火事が発生した。実験室29平方㍍が全焼し、およそ4時間後に鎮火された。病院によると、出火前に実験をしていた研究員一人が、実験に用いたヒーターの電源を入れたままにしていたことが原因だ。この火災で3名が診察を受けたが、異状は見つからなかったという。

出火元は、病院東構内の旧産婦人科病舎1階にあるRI(放射性同位元素)低レベル実験室だ。炎や黒煙がときおり爆発音を出しながら立ちのぼり、消防車が20台以上駆けつけるなど現場は一時騒然とした。
火災の原因は、研究員がヒーターを電源の入った状態で木製の実験棚に放置していたことだ。出火のおよそ20分前まで実験室では、企業から派遣された研究員が医薬品開発のために実験をしていたが、退室の際にヒーターの電源を切り忘れ、このヒーターから木製棚に着火した。火は実験台や天井に拡がり、さらにはスプレー缶に引火して激しい爆発を引き起こしたという。

この火災で煙を吸った疑いのある3名が京大病院で診察を受けたが、異状はなかった。また、消火にあたった消防隊員は酸素マスクをつけていたことから放射性物資の吸引のおそれはなく、装具・衣類などからも放射線による汚染は見られなかったという。

火災が起こった実験室では、放射性物質が扱われており、消防と京都大学環境安全保健機構が実験室内やその周辺の放射線量を測定した。機構は、放射線による人体への被害はないレベルだとしている。測定された線量の詳細は機構のHPで見ることができる。

病院は2日19時から火災についての記者会見を開いたほか、4日に「お詫びとご報告」と題する文書を病院HPに掲載した。病院では週明けの4日から通常通り外来の受付が行われている。