インタビュー

日中交流サークル座談会 報道されない中国を知る

2016.03.16

京都大学ウェブサイト中の「データで見る京都大学」によると、2015年5月1日現在、京都大学が受けいれている全留学生(学部・大学院・研究生等)は1881人だが、そのうち中華人民共和国出身者が828人、台湾出身者が97人で、これらを合わせると925人となり、全留学生のうち49%が中国あるいは台湾の出身であることがわかる。

日中交流サークル座談会
PUKU2名、日中会話クラブ3名、freebird1名がそれぞれの活動について語り合った
京都大学在籍者数は2万3千人ほどなので、4%ほどが中国あるいは台湾出身の学生となる。京都大学に在籍していると、中国・台湾出身の学生と出会う機会が多いことがわかるが、どのようにすれば彼らと触れあい、彼らを理解することができるだろうか。京都大学、同志社大学、立命館大学で日中交流事業をしているサークルの人たちに語り合ってもらった。(裕)

○京都大学PUKU実行委員会

通称PUKU。英語名をCross-Culture-Communication between Kyoto University and Peking Universityという。夏休みに京都・北京の学生が京都・北京を10日間ずつ相互訪問する事業を行う。現スタッフで京都大学文学部2回生の岩本佳奈さんと元スタッフで京都大学文学研究科修士1回生の張子康さんが参加。(所属は2016年3月現在。以下同じ)
HP twitter facebook

○freebird

関西・関東・上海・北京の4支部があり、各支部でのイベントの他、隔年で日本と中国を2週間ほど訪問するCHINATRIP・JAPANTRIPを開催している。関西支部代表を務める立命館大学法学部3回生の濃野司さんが参加。
HP twitter facebook

○日中会話クラブ同志社

同志社大学の教室などで、日本語と中国語を互いに教えあう「言語交換」やゲームなどをして、日本人学生と中国人・台湾人留学生が交流する場を開いている。元代表で同志社大学グローバル地域学部3回生の檜垣柚さんと、新代表で同大学商学部1回生の岡村彰さん、同大学社会学部3回生の陶嘉昊さんが参加。
facebook

設立の経緯と活動内容

――それぞれの団体の設立の経緯を教えてください。

 PUKUが企画されたきっかけは、2008年の12月、北京大学と東京大学の学生交流企画「京論壇」に参加した北京大生が、会議室での議論だけではなく、町の中に入って活動ができる企画が出来ないかと京大生に話を持って来たことです。大学のしばりなしに自分たちで企画・運営してもっと自由にやろうと話がまとまり、2010年に第一回目が開催されました。京都側は人が足りないので、2012年から京大以外の人も集めるようになりました。
ミカン狩り
日中会話クラブでは日本・中国・台湾の学生が一緒に活動をする。写真はミカン狩りの様子。
檜垣 日中会話クラブは、約3年前に、中国・台湾の留学帰りの同志社生たちが、中国語の能力を維持するために作りました。初めは言語交換が中心でしたが、今は留学経験がなく中国語ができない日本人も増えたので、ミカン狩りのようなイベントをするなど交流に焦点を当てるようになってきています。

濃野 freebirdは2005年に上海で設立されました。ちょうど小泉元首相の靖国神社参拝などで反日デモが盛り上がった時期で、そのとき上海に留学していた日本人大学生3人が、現地でお世話になっている中国人の姿と日本で報道されている中国人の姿に大きな乖離を感じて、日本人は実際に目で中国人の姿を見ないとだめだと思ったそうです。留学から帰ってきたその3人が青山学院大学と立命館大学の学生だったので、関東と関西にも支部が出来ました。2014年に北京にも支部が出来たので、今は関東、関西、上海、北京の4支部で活動しています。関西では京都の大学生が中心となって活動しています。

――PUKUさんはどういう活動をしていますか。

岩本 PUKUは夏休みに20日間の交流事業をしています。京都に10日間、北京に10日間、京都と北京の学生が相互に訪問します。その際3つの分科会に分かれて行動するのですが、分科会ごとのテーマに合わせて企業や行政の方にお話を聞いたり、アウトプットとしてパンフレットやビデオを作ったり、イベントを開くなどしています。最近では日本文化体験として浴衣を着たり、京大の邦楽サークル「叡風会」に琴を演奏してもらったりしています。他に、日中の文化比較をするディスカッションや観光もしています。
 会期中は、真夏のあの死にそうなくらい暑い京都を走り回るのですが、移動距離が大きくておもしろいです。環境分科会が北山の奥深くまで行って北山杉の伐採や加工をしたり、山科の町内会にお邪魔して、有名な祭りへの出店をお手伝いしたり。京都の大学生もあまり訪れないところに中国人を連れ込んでいきます。最近は、運営費に助成金が入り改善されていますが、僕がいたときは人もいないしお金もない。ある年は始まった時点で10万円の赤字。「どうなんのこれ?」と思いました。
 北京側は北京大学だけということですが、北京の他の大学や、中国の他の地域の大学生を誘うという考えは?
岩本 今のところないですね。北京側は人が足りていて、選考をしているくらいです。日本はいつも人が足りていないのに。
檜垣 なぜ北京大ではそんなに人気なのでしょうか。かかる費用が日本と違うのですか?
 だいたい同じくらいです。京都も北京も日本円で10万円弱。一つの原因としては、中国では個人の海外旅行はまだ難しいことがありますね。個人でビザを手配するのは大変ですが、大学など学術関係では取りやすい。逆に日本人は中国にビザなしで2週間行けますし、それ以上滞在する場合でも、ビザを取るのはあまり難しくないですね。
檜垣 中国側は団体で行くことのメリットがあるということですね。

――日中会話クラブさんはどういう活動をしていますか。

檜垣 日中会話クラブは予算がないんです。たとえば飲み会ならこちらがやるのは予約だけで、飲み会のお金だけ徴収します。予算がないので泊まりで何かするといった大きな活動はできないのが現状ですが、興味を持った人が気軽に交流できる場としてあってもいいのかなと思います。
 日中会話クラブは、PUKUやfreebirdと違ってルールがほとんど無いんです。その日のLINEを見て行きたければ行く。ただ、最近は日本人があまりいなくて、中国人もどんどん減っていますね。今は台湾人ばかり。
檜垣  PUKUは北京大生、freebirdは中国人学生との交流ですが、日中会話クラブは中国語圏全体を対象にしているんです。中国・台湾だけでなくマレーシアや香港の人も来ます。
普段は週に1回教室を借りて、だいたい10人から20人が集まって言語交換やジェスチャー伝言ゲーム、関西弁トランプや花札を使ったゲームなどをしています。
 俳句も作ります。留学生がセンスのいい俳句を作るんです。
檜垣 月に1回くらい飲み会やパーティーもしています。苦労するのは、日本人が少ないことと、中華圏でも中国出身の人と台湾・香港出身の人で固まってしまうことです。会話クラブだけじゃなくて、どこでもそうなのだと思います。年によって、中国の人が多かったり、台湾・香港の人が多かったりします。でも陶さんのように、毎年1人は「俺は日本に来たんやから日本人と仲良くするんや」という人がいます。そういう人がいるとすごく助かる。

――freebirdさんはどういう活動をしていますか。

濃野 freebirdは大事な活動が2つあります。1つは日本と中国の学生が継続的に交流できる場を作ることで、月に1回くらいイベントを企画しています。もう1つが、2005年の発足当時からしている夏の合宿、CHINATRIP・JAPANTRIPです。合宿のために、関西・関東・上海・北京の4支部合同で、スカイプを使ったミーティングを週1回しています。
freebirdは日中交流の入り口だと思っています。語学を伸ばしたければ日中会話クラブを、討論をしたい人にはPUKUを紹介します。うちのスタッフもめちゃくちゃおもろいですよ。「中国のことは嫌いやけど、中国人としゃべったこともないのに決めつけるのはあかん」と言って、4年間続けた先輩もいました。
檜垣 えらいな。
濃野 そうそう。で、代表はここ2代続けて中国語まったくしゃべれない。
一同 (笑)。
濃野 あと、次の代表も中国語まったくしゃべれない。
一同 えー!
濃野 スタッフも普通の日本人大学生と同じ視点でイベントを作っています。これは個人的な思いなのですが、友好という言葉はあまり好きではありません。友好は結果論であって、日中友好しようと言ってイベントをするのは違うと思います。僕は代表3年目ですが交流という言葉をずっと使っていて、交流した結果相手と仲良くなって初めて友好と思っています。

――CHINATRIP・JAPANTRIPで使う言語は何ですか。

濃野 コアとなるコンテンツに「討論会」がありますが、討論会は日本語と中国語の両方を話せるスタッフが通訳をしています。というのは最初にお伝えした通り、freebirdは日中交流の入り口なので、外国語があまりできない人にも来てほしいからです。他の場面でのコミュニケーションは個人に任せていますが、それぞれ日本語、中国語あるいは英語で話しています。

――大体どのくらいの数の人がいますか。

濃野 イベントを企画する人をスタッフと呼んでいますが、各支部に30人以上スタッフがいるので、4支部で100人は超えていますね。
一同 すごい。
freebird講演会
freebirdは2015年夏に講演会を開いた。壇上右から藤岡氏・伊餘田氏。左2人はfreebirdのスタッフ
濃野 イベントごとにSNSや口コミで人を集めます。freebird以外の人は10人来たら嬉しいくらいです。夏の合宿は、各支部からの参加者が5名で、合計20人。スタッフと合わせて大体50人です。合宿は隔年で中国・日本と開催場所を変えていて、去年は京都でした。檜垣さんはその中のメインイベントである講演会に来てくださったんです。
檜垣 「地球の歩き方」の元社長の藤岡比佐志さんと、中国版Twitterのウェイボーで6万人のフォロワーを持つ「日本語お兄さん」井餘田泰斗さんを呼ばれて、京都市国際交流会館で講演会をされたんですよね。

勉強と遊びのバランス

――PUKUさんは、勉強・遊びのバランスはどのように考えていますか。

岩本 難しいところですね。せっかく中国から来てくれたのだから、金閣寺や伏見稲荷など観光地にも行かせてあげたい。でも分科会のためにフィールドワークをすることも必要なので、あまり分科会の活動を制限しないように、フィールドワークの場所や宿泊するゲストハウス近くの観光地を訪れています。観光・買い物の時間を確保し、かつ密度のある分科会活動をするにはどうするべきか。毎年の悩みどころです。
 僕が入ったとき、PUKUは創立2年目でしたが、京都会期のときに北京大生が化粧品を買いたいと言いました。その時、創始者の一人が「PUKUは遊びの場じゃないと徹底しておくよう言ったよね」と北京側のリーダーを責めて、北京側のリーダーが泣き出してしまうことがあったんです。最近はバランスが取れるようになりましたが、今でも分科会が優先です。朝早く出なければならない時は朝6時に叩き起こしたり、逆に日付が変わるまで寝ないこともあります。
濃野 事前資料を見せてもらいましたが、量が多いですよね。
岩本 3つか4つ訪問先に行くことになっています。レクチャーなどが多いのですが、事前に資料をいただいて、こちらで英訳し、当日配るようにしています。フィールドワークは実質5日間ですが、そのなかでいかに濃くしていくかがいつも考えどころです。

――日中会話クラブさんは、勉強というと言語交換ですよね。

檜垣 留学生と交流すること自体いろいろ学びがあると思います。台湾人は中国人をどう思っているのかなど本音で話して知れることがあります。留学生も日本の文化や日本人はについて学べる。
 日本・台湾・中国のお互いの文化のことは話しますが、政治問題にはあまり触れませんね。
檜垣 みんなが来やすい環境であることを一番大切にしているので、スタッフの私から「最近の台中関係どうなの?」などとは聞かないです。
 実は僕は話したいんですが、話す前にいろいろ調べることが多いじゃないですか。知識がないと、話さないほうがいいんじゃないですか。
 PUKUの場合20日間はDon’t be nice、模範解答は言うなが伝統です。創立2年目では北京会期で盧溝橋の中国人民抗日戦争記念館に連れて行かれて、そのあと日中戦争の話になりました。2014年に京大でした討論会では日中の教科書を比較しました。高校の歴史教科書『詳説日本史』(山川出版社)の近代史の部分を翻訳して渡して、中国の学生が「こんな記述じゃ私納得しない」と言ったり。
檜垣 20日間だからいいですよね。一年間付き合う人とぎこちなくなると困るけど。
 水掛け論になることもありますが、20日間でお別れだから言えることを言ってしまえという部分もあります(笑)。
檜垣 日中会話クラブとしては、関係を築くことが一番ですね。PUKUはやっぱり20日間でどれだけお互いが学んで、討論を通して成長できるかですよね。
 そうですね、そこまでさらけ出してしまうことで、関係が壊れても次の関係につなげることができる。
濃野 僕も歴史認識は話しにくいかと思っていたのですが、去年のイベントで何が一番おもしろかったかアンケートを取ったところ、日中の歴史認識を半日かけて話したのが一番おもしろかったと、特に1、2回生から意見がありました。freebirdのCHINATRIP・JAPANTRIPでは、毎回討論会のテーマを3つ設定するのですが、一つは必ず歴史です。2014年に上海でCHINATRIPをしたときは、南京の虐殺記念館に行きましたし、2013年に東京でJAPANTRIPをしたときは、中学校の歴史教科書をつくっている東京書籍に行って、歴史教科書の編集長とパネルディスカッションをしました。「それは指導要領があって…」みたいな話をされましたが(笑)。僕がfreebirdに入るきっかけになったのは、この東京でのJAPANTRIPに、「2万円で東京で遊べるみたいやから」と思ってふらっと行ったことなのです。特におもしろかったのは東京書籍の編集長の話を聞いたのと、もう一つ、夏休みにもかかわらず、池袋の中学校で社会科の先生に日中戦争の模擬授業をしてもらったんですよ。
一同 すごい。
濃野 歴史の授業と、歴史教科書の二つを同時に見られたので、日本人も勉強になったし、中国人も「日本の歴史教育ってこんな風になってるんや」と考えることができました。虐殺記念館は「犠牲者30万人」という数字が入り口に書いてあって目立つけど、大事なのはそこではなくて、日中が戦後どういうふうにすりあわせをしてきたかだと思います。アンケートを見ても、意外とみんな歴史に興味があるとわかるので、歴史も時々扱いたいです。そういう意味では、freebirdは遊びと勉強は分けていなくて、遊びの中に勉強も交えていけたらと考えています。

どんな人が来ているか

岩本 PUKUの京都側は、ハーフや華僑・華人など中国にルーツがある人や、国際交流に興味がある人が多いです。大学は京大・同志社・立命館が、回生では学部1・2回生が多いですね。一方北京大学生は学部3・4回生、修士1回生など上回生が多いです。日本に興味があって日本語を少し話せるような人もいれば、日本に行くのはまったく初めてで日本のことをあまり知らない人もいます。北京は選考をしているけれど、京都は誰でもウェルカムです。中国に全然関心を持っていなかった人も来てほしいです。
 特に口コミでPUKUを知った人に多いですが、毎年、参加者のうち1人2人は、全然中国に関心がない人がいます。またうれしいことに、PUKUがきっかけで中国に留学に行く人が毎年1人くらいいます。1人そういう人が出てくれるのだったら本望。10万円の赤字でも何でもいいかと思います(笑)。
一同 いや、それは困る(笑)。
岩本 中国に行くのが初めてという人も、半分くらいいるかな。中国とのつながりがなかった人が、PUKUで初めてつながりを持つことができるところは好きです。

PUKUの議論の様子
PUKUは少人数の分科会に分かれ、京都・北京の学生が一緒に一つのテーマを追求する


檜垣 日中会話クラブは、代表をしていた私の繋がりも多いです。私が北京大学に一ヶ月留学していたので、一緒に行った人がが、手伝ってくれます。京大や立命館や関大など同志社以外の大学の人や社会人もいて、FacebookやLINEで連絡を取っています。留学生はコミュニティが小さいから、口コミですぐに日中会話クラブのことが広がります。
 中国語を勉強している人、中国に興味のある人がもちろん多いですが、中国に興味がない人もいるのがおもしろい。
濃野 freebirdも、OB・OGのつながりはあります。普段の活動は関与しないけど、活動報告会やイベントには出てくれます。「今年はお金が集まらない…」となっても、5年前、10年前の先輩にアドバイスを求めることができるのはいいところです。普段の活動は日本人と中国人半々で、男女比は女子が少し多いくらい。大学は京都を中心に関大や関学など大阪の学生も少しいます。入る動機となった興味は、言葉・歴史・文化など様々です。合宿に参加する日本人のほとんどは、一回も中国に行ったことない人で、僕自身2014年に上海に行ったのが初めてです。中国側はアニメ・ドラマ・ジャニーズが好きな人が多いですね。だから日本語をしゃべれなくても、アニメやドラマの題名を言ったらだいたいコミュニケーションがとれて盛り上がります。
 中国人はアニメやジャニーズが好きですね。でも台湾人はポップスが好きな人が多い。台湾と大陸では、日本に興味を持つきっかけが違います。

新入生へメッセージ

――新入生へメッセージをお願いします。

岩本 PUKUが大事にしているのは、実際に行って聞いて見て話すことです。新入生も大学に入ったら、本を読む以外に実際に色んなところへ行って話を聞いてみてほしいです。
岡村 留学生はある程度日本語が話せますし、日本が好きな人が多いので話しやすいです。中国人とかかわるにも、留学や旅行で中国語で話すよりはずっとハードルが低いので、とっかかりにはいいでしょう。また、留学生は日本語を勉強したいので、僕らが日本語を話すだけで役に立つことができます。気軽に来てくれたらいいなと思います。
濃野 freebirdの特徴は、4支部あることなので、上海・北京・東京に知り合いがほしい人はぜひ来てください。動機はゆるくていいんです。大学生になったから外国人の友達つくりたい、中国語を第二外国語でとるから使う場面がほしい、他の大学の友達ほしい、おいしい餃子を食べたいなどでいいです。freebirdに参加するうちに日本と中国のことに関心が深まって、歴史を知りたい、語学を深めたいと思ったら、ふさわしい場所や機会を紹介できるので、入り口として、イベントに参加するだけでもいいので、使ってもらえたらと思います。新しい事業も始めるので、新入生にもかかわってほしいです。今具体的に出てきているのが、京都の銭湯活性化です。銭湯は使う人が少なくて、いまたくさん潰れています。京都にたくさん来ている中国人学生や観光客に銭湯に入ってもらう方法を考えています。他にも、PUKU、日中会話クラブ、freebirdの三会合同でできたらと思っていますが、大阪の総領事館の中を見学させてもらうツアーをする予定なので、ぜひいらしてください。また、freebirdに入ってくれる留学生も募集しています。留学生を対象にバイトの斡旋もしています。留学生はビザの問題もあるし、外国人ということで敬遠されて雇われないことが多いです。中国で開発されたアプリの、中国語から日本語への翻訳の仕事などを斡旋しています。ぜひお問い合わせください。

――皆さんありがとうございました。

中国を知る第一歩に

韓立友 京都大学国際交流推進機構 特任准教授

大学で日中交流活動をすることについて、韓立友・京都大学国際交流推進機構特任准教授に話を聞いた。
        ◇
中国について詳しい学生は少ない上に、日本から留学に行く学生が減っているという現状があります。しかし、中国は日本にとって今後とも、ビジネス・政治・文化の重要なパートナーであり続けるでしょう。そんな中、ただ本やテレビで情報を得るのではなく、実際に交流を通じて自分の目で見ることが必要です。交換留学は半年から1年くらいかかり踏み出す覚悟が要りますが、PUKUやfreebirdといった1~2週間中国に行くプログラムは、最初の一歩に最適でしょう。京大主催の短期派遣プログラムに行ったことをきっかけに、その国に交換留学に行く学生もいますが、PUKUやfreebirdも同じ役割を果たすことができると思います。また、実際に中国に行くことはどうしてもお金と時間がかかりますが、日中会話クラブのように、日本にいながら中国人留学生と交流することは手軽にできますし、留学生にも多種多様な背景を持つ学生がいるので、中華圏の中でも様々な文化を理解できます。身近なところから日中交流を始めてみることも大切です。