インタビュー 京都府学生献血推進協議会に聞く 学生目線で広めたい
2015.11.01
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学生に献血を広めようと取り組んでいる学生団体がある。「京都府学生献血推進協議会」(学推)だ。学生の献血に対する意識や今後の課題について、会長の伊藤瑞綺さんに話を聞いた。(国)
――学推というのはどういった団体ですか。
学生に献血を広めることを目的として活動している団体です。赤十字血液センターとは別の組織ですが、センターと連携を取って活動しています。メンバーは現在30人ほどです。同じ年代の者として、若年層に対して働きかけやすい学生だからこそできることをやっています。普段は毎週月曜日に例会を開いてメンバーで話し合いをするほか、毎月キャンペーンをしています。
――キャンペーンではどういったことをしていますか。
四条、京都駅前、伏見の3つの献血ルームの前で呼び込みをしています。献血自体は毎日できますが、呼び込みがあると、「今日なんかやってる」と気づいてもらえるので。ただ年配の方が多く、若い方が入っていくのはあまり見かけません。それでも呼びかけで若いカップルが入ってくれたこともあり、呼びかけにもある程度の効果はあると思います。キャンペーンの時には私達が考えた記念品をお渡しすることもしています。
――記念品とはどういったものですか。
10月のキャンペーンではお菓子の詰め合わせを配ります。あとは付箋など学校で使うものを考えています。献血する人が少なくてどうしようとなった時に「物で釣る」ということも考えたのですが、善意でやる行為なのに記念品だけに力を入れるのは本来の趣旨から外れると思いました。一方で、人を増やすには記念品も必要だと思うので、そこで高価な商品を選ぶのではなく、例えば学生にとって嬉しいものを選ぶようにしています。他のところではラップやカップラーメンを配るところもあるようです。
――若者の献血に対する意識は低いと感じていますか。
私の周りでは怖いから、痛いからとやらない人が多いですね。それに、普通に暮らしていたら輸血が直接自分たちと関係しないので、そもそも献血に対して意識が向かないのかなと思います。
――献血をやったことのない身からすると、確かに怖い、痛いというイメージがあります。
初めての献血が怖いと思うことはあると思いますが、それをどう払しょくすべきかはまだ模索中です。痛みに関しても、まずはそれらに抵抗がない人を何とか見つけるしかないのかなと思います。友達の誘いで「行こうかな」となるパターンが多いようなので、私も色々な人に「献血行こうよ」と言うのですが、なかなか来てくれないですね。
――最初のきっかけがないと難しいとも聞きます。
そうですね。学推では最近、まだ献血ができない年齢の人にも働きかけをしています。例えば夏休みには小学生向けに子供献血ツアーに参加しました。その時は、実際に針は刺さない疑似献血や、お母さんが献血するところの見学などをやりましたが、みんな興味津々で見ていました。小さい頃から献血のことを少しずつ知ってもらうことは、将来やってもらうことにもつながるので大切だと思います。また、養護教諭を目指している人に対して講演することも予定しています。学生目線からの献血について話して、それを高校生に伝えてもらうことで、早いうちから献血のことを知ってもらおうと思っています。
――ご自身は学推に入ったことが献血をするきっかけになったのですか。
はい。私は学推に入るまでは献血には関心がなく、献血した血液が何に使われるかも知りませんでした。学推に入ったのは楽しい雰囲気でボランティアができそうだという理由からなのですが、その後は血液が病気の方々に使われることや、現在不足していることなどを知って、段々真面目に考えるようになって始めました。
――血液は保存期間が短く、定期的な供給がなければなりません。つまり1回来てもらうだけでなく継続してきてもらう必要があると思います。1回来た人に2回目以降も来てもらうにはどうすればよいのでしょうか。
複数回献血をしてもらうのは難しいです。定期的に協力してもらうことが大切だとは思っているのですが、来てくれる人は少ないです。複数回献血をする方は、何回もやっていることを誇りに思って達成感から献血をするという場合が多いですが、若い人の場合はおそらく1回やるとそれで満足してしまうのでしょう。思ったより痛かったからもう行かないということもあるでしょうが。
――キャンペーン以外の広報活動はしていますか。
今のところはキャンペーンが主ですが、これからはTwitterやFacebookなど、多くの人が見られるツールで献血の現状やルームの場所などの情報を発信していきたいと思っています。
――学生に向けて何かメッセージはありますか。
献血というと堅いイメージがあると思いますが、そうではありません。献血ルームではベッドにテレビやDVDがあるので、それらを見ながらゆっくり献血できますし、看護師さんも優しくお話をしてくださいます。ルームは静かで綺麗なうえジュースも飲み放題なので、テスト期間中に献血してそのままそこでテスト勉強をする人もいます。とにかく気軽に使える場所なので、まずは一度行ってみてください。
――ありがとうございました。
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――学推というのはどういった団体ですか。
学生に献血を広めることを目的として活動している団体です。赤十字血液センターとは別の組織ですが、センターと連携を取って活動しています。メンバーは現在30人ほどです。同じ年代の者として、若年層に対して働きかけやすい学生だからこそできることをやっています。普段は毎週月曜日に例会を開いてメンバーで話し合いをするほか、毎月キャンペーンをしています。
――キャンペーンではどういったことをしていますか。
四条、京都駅前、伏見の3つの献血ルームの前で呼び込みをしています。献血自体は毎日できますが、呼び込みがあると、「今日なんかやってる」と気づいてもらえるので。ただ年配の方が多く、若い方が入っていくのはあまり見かけません。それでも呼びかけで若いカップルが入ってくれたこともあり、呼びかけにもある程度の効果はあると思います。キャンペーンの時には私達が考えた記念品をお渡しすることもしています。
――記念品とはどういったものですか。
10月のキャンペーンではお菓子の詰め合わせを配ります。あとは付箋など学校で使うものを考えています。献血する人が少なくてどうしようとなった時に「物で釣る」ということも考えたのですが、善意でやる行為なのに記念品だけに力を入れるのは本来の趣旨から外れると思いました。一方で、人を増やすには記念品も必要だと思うので、そこで高価な商品を選ぶのではなく、例えば学生にとって嬉しいものを選ぶようにしています。他のところではラップやカップラーメンを配るところもあるようです。
――若者の献血に対する意識は低いと感じていますか。
私の周りでは怖いから、痛いからとやらない人が多いですね。それに、普通に暮らしていたら輸血が直接自分たちと関係しないので、そもそも献血に対して意識が向かないのかなと思います。
――献血をやったことのない身からすると、確かに怖い、痛いというイメージがあります。
初めての献血が怖いと思うことはあると思いますが、それをどう払しょくすべきかはまだ模索中です。痛みに関しても、まずはそれらに抵抗がない人を何とか見つけるしかないのかなと思います。友達の誘いで「行こうかな」となるパターンが多いようなので、私も色々な人に「献血行こうよ」と言うのですが、なかなか来てくれないですね。
――最初のきっかけがないと難しいとも聞きます。
そうですね。学推では最近、まだ献血ができない年齢の人にも働きかけをしています。例えば夏休みには小学生向けに子供献血ツアーに参加しました。その時は、実際に針は刺さない疑似献血や、お母さんが献血するところの見学などをやりましたが、みんな興味津々で見ていました。小さい頃から献血のことを少しずつ知ってもらうことは、将来やってもらうことにもつながるので大切だと思います。また、養護教諭を目指している人に対して講演することも予定しています。学生目線からの献血について話して、それを高校生に伝えてもらうことで、早いうちから献血のことを知ってもらおうと思っています。
――ご自身は学推に入ったことが献血をするきっかけになったのですか。
はい。私は学推に入るまでは献血には関心がなく、献血した血液が何に使われるかも知りませんでした。学推に入ったのは楽しい雰囲気でボランティアができそうだという理由からなのですが、その後は血液が病気の方々に使われることや、現在不足していることなどを知って、段々真面目に考えるようになって始めました。
――血液は保存期間が短く、定期的な供給がなければなりません。つまり1回来てもらうだけでなく継続してきてもらう必要があると思います。1回来た人に2回目以降も来てもらうにはどうすればよいのでしょうか。
複数回献血をしてもらうのは難しいです。定期的に協力してもらうことが大切だとは思っているのですが、来てくれる人は少ないです。複数回献血をする方は、何回もやっていることを誇りに思って達成感から献血をするという場合が多いですが、若い人の場合はおそらく1回やるとそれで満足してしまうのでしょう。思ったより痛かったからもう行かないということもあるでしょうが。
――キャンペーン以外の広報活動はしていますか。
今のところはキャンペーンが主ですが、これからはTwitterやFacebookなど、多くの人が見られるツールで献血の現状やルームの場所などの情報を発信していきたいと思っています。
――学生に向けて何かメッセージはありますか。
献血というと堅いイメージがあると思いますが、そうではありません。献血ルームではベッドにテレビやDVDがあるので、それらを見ながらゆっくり献血できますし、看護師さんも優しくお話をしてくださいます。ルームは静かで綺麗なうえジュースも飲み放題なので、テスト期間中に献血してそのままそこでテスト勉強をする人もいます。とにかく気軽に使える場所なので、まずは一度行ってみてください。
――ありがとうございました。