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職組賃下げ裁判 控訴審始まる 職組一審破棄訴え

2015.10.16

10月13日、京大職員組合らが未払い賃金の請求を求めている訴訟の、控訴審第1回口頭弁論が大阪高裁で行われた。

職員組合は「一審判決は、裁判の命である弁論主義を蹂躙しているうえに、労働法制の根本理念を無視した判決である」と主張し、一審判決の破棄を求めた。

2013年6月に提起されたこの訴訟は、今年5月に京都地裁の一審判決が下り、原告の請求は棄却されている。今回職員組合は、「一審は原告・被告共に主張しておらず、争点になっていないことだけを理由に判決を行い、民事訴訟法上の弁論主義に反している。そのうえ、一審判決で適用したとみられる国立大学法人法や京大の賃金規定は、一方的な賃下げの根拠にならない」と主張した。また、一審が労働条件の一方的不利益変更禁止のための要件である「高度の必要性」の有無を検討していないことも、控訴理由に挙げた。いっぽう京大側は、給与減額の「高度の必要性」が存在したことを強調する答弁書を提出した。 

口頭弁論では、控訴状、答弁書などの陳述ののち、控訴人らから髙山佳奈子氏と西牟田祐二氏が意見陳述をした。髙山氏は、一審判決は憲法上保障された財産権を法に基づかずに剥奪する、立憲主義に反した不当なものであり、是正されなければ国際社会にも広く訴えてゆく必要があると語った。また西牟田氏は、この訴訟は単なる労使間の争いであるだけでなく、政府から独立して教職員の賃金決定を行うことは大学の自治という観点からも重要ではないか、とアピールした。

次回の口頭弁論は、12月22日11時から大阪高裁で行われる。

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