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法科大学院 3年次生入学可能に 優秀な学生が対象

2015.08.01

京都大学法科大学院は6月、来年度の学生募集要項を発表した。入試に新たな制度を設け、法学部の3年次生が出願できるようにする。優秀な学生が短期間で法曹になれるようにするためだ。法科大学院によるこのような試みは、全国でも珍しい。

現在、弁護士を目指す学生であれば、法学部入学から弁護士登録まで8年以上かかる。京大法科大学院長の洲崎博史氏によると、この期間は最短で6年だった旧制度と比べて、優秀な学生にとっては長く、時間や学費を無駄に費やしてしまうとの声が寄せられていたという。そこで、3年次生の入学を可能にし、実務法曹になるまでの期間を短縮できるようにする。

京大法科大学院の入試では、出願できる枠が「法学未修者枠」と「法学既修者枠」とに分かれている。来年度から既修者枠の中に「法学部3年次生出願枠」を設ける。出願の要件には、法学部の3年次に在学していることや、一定の単位数を法律学の科目で修得していることのほか、学業優秀であると大学院に認められることが挙げられている。優秀かどうかの判断基準は、選考全体における学生を選ぶ基準と同様に、明らかにすることはできないという。大阪大学など、3年次生の出願を認める法科大学院はあるが、3年次生のための出願枠を設ける例はこれまでなかった。

優秀な学生の在学期間を短縮させるべきだとの方針は、法科大学院での教育における改革の一環として、中央教育審議会をはじめとした政府の会議で打ち出されている。

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