文化

[京大あれこれ]経済研究所にある謎の像

2015.04.16

「経済研究所」と言われて、ピンとくる人はどれだけいるだろうか。経済研究所は附属図書館の西側にある建物である。ここは所属する教職員以外はめったに利用しないため、普段は人通りがほとんどない。そんなマイナーな建物の入り口をくぐると目の前に現れるのが今回紹介する「謎の像」である。まずは写真をご覧いただきたい。何とも言えないポーズをとっている。大きさは約1・6メートルで、15センチほどの高さの台座の上に乗っている。台座には制作者や題名を示すような痕跡は残っておらず、状態から判断するにそれなりに古いものだと思われる。像を観察していても何も分からなかったため、知っていそうな誰かに尋ねてみることにした。最初は経済研究所へ。なんと言っても実物がある。ところが、返ってきた答えは「30ほど前に、附属図書館から預かったか譲渡されたかでこちらにやってきたものであり、それ以上は分からない」というものだった。まず驚くべきことに経済研究所にやってきた経緯すら判然としていないのである。そこで、元々この像があったという附属図書館にその由来を問い合わせてみたが、期待していたような成果は得られず、手持ちの資料には像に関する記述は残っていないとの返事が帰ってきた。

ここまでで得られた情報は、少なくとも30年以上前に制作された、ということだけである。像は誰が作り、いかにして附属図書館、経済研究所に渡ったのか。謎の像は今日も経済研究所の入り口で訪問者を出迎えるのである……。(奥)

※「謎の像」の正体を知っている方は弊社までご連絡下さい。