「妖術」が果たす役割(2015.04.16)

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4月15日には、石井美保・人文科学研究所准教授が『関係性を紡ぐわざ――アフリカの「妖術」と日本の「因縁」』と題して講演した。アフリカで広くみられる「妖術」に注目し、特徴的な性質や、それぞれの社会で果たす役割を解説した。

妖術は、何らかの霊的な力が人に憑くことによって、意図せずに他人に害や災いを与える作用とされる。立て続けに人が亡くなったり家畜が全滅したりすると、誰かによる妖術が原因ではないかと疑われるという。石井氏はこうした妖術が、不運なできごとがなぜ発生したかを説明する役割を、人々の間で果たしてきたと強調する。例えば、Aという人物が倒壊した貯蔵庫の下敷きになったとする。「以前よりBという人物とAは仲が悪く、BはAに恨みを抱いていた。Aがいるときに限って貯蔵庫が倒壊したのは、Bによる妖術が原因なのだ」というように、災厄は単なる偶然としてではなく、誰かの妖術によるものと人々の間で理解される。石井氏は「理由付けがこのようになされることで、人々は災厄を必然としてとらえ、受け入れることができる」と説明した。

また、妖術と似た性質をもつ概念として、仏教における「因縁」の考え方に言及。「複数の因果関係が関わり合っていると気づくことで、その後に自分が進む道が変わる」とする、学者・南方熊楠による「因縁」の説明を紹介。そのうえで「出来事を単なる偶然としてはとらえないなど、『妖術』と『因縁』には多くの共通点が見られ、興味深い」と締めくくった。(北)

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