『依存症を知る』開催 第5回こころの未来フォーラム アルコールからギャンブルまで(2008.03.16)

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2月17日、芝蘭会館稲盛ホールで第5回こころの未来フォーラム『依存症を知る』が開かれた。主催はこころの未来研究センター。認知科学の研究者や臨床医らが、アルコールや薬物、ギャンブルに至るまでさまざまな依存症を紹介した。

都立松沢病院で院長を務めた松下正明氏は、松沢病院で行われているアルコールと薬物依存症患者の治療プロセスについて概説した。依存者とその責任能力についても触れ、「依存者を強制治療すべきか」も重要な問題だとした。

医学研究科の十一元三教授は、自閉性障害やアスペルガー障害などの発達障害をもつ人に見られる嗜癖行動について解説した。嗜癖行動は強迫性を伴うことが多く、規則を過剰に遵守したり、同じ行為を何度も行ったりする。嗜癖行動のメカニズムは依存症にも通じるものがあるのではないか、という提案を行った。

脳科学者の廣中直行氏は、「依存はこころの問題か、くすりの問題か」と問い、動物実験で明らかになった脳内の報酬系の研究を説明した。サルの目の前にボタンを用意し、ボタンを押すとモルヒネが投与される実験を行うと、ボタンを押す頻度が増える。これは脳内に存在する報酬系の効果で、生存に必須な意欲や欲求につながる「報酬の予測」を行っている。

岡田俊・医学研究科助教は、依存が起こる要因を個体側・報酬側(生理的)・心理社会的に分類し、治療上の問題点について指摘した。「夫のパチンコ代のために妻が働く」ような依存者に対する家族の助けが、依存者を依存状態のままにしている状況を紹介した。その上で医療者は、依存の性質を理解し巻き込まれないことが重要だ、と話した。

ギャンブル依存者治療のクリニックを開いている森山成彬氏は、ギャンブル依存症への理解を訴えた。「日本で150~200万人のギャンブル依存者がいるにも関わらず、自覚や意志の問題とされてしまうのは、40年前のアルコール依存症のときと同じだ」と述べた。

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