文化

総合博物館特別展 医療の進歩を幅広く紹介

2015.02.16

京都大学総合博物館では2月11日より、特別展「医は意なり―命をまもる知のあゆみ―」が開催されている。4月に開かれる第29回日本医学会総会に合わせて企画されたもので、医療技術の変遷を示す資料約80点を見ることができる。

展示では、医療の発展に貢献した関西ゆかりの人物12人の功績のほか、医学教育や看護、助産など医学の各分野の発展の様子を紹介している。中でも注目は、35年前まで実際に使用されていたという「鉄の肺」=写真。タンク内の気圧を下げることで肺が膨らんで体内に空気が入る仕組みで、人工呼吸器としての役割を果たしていた。タンクの中で60年間過ごした人もいるといい、この頃から「タンクの中で一生を送ることが人間らしい生き方と言えるか」といった倫理的問題も考えられるようになった。特別展ではこうした生命倫理についても扱っている。また看護コーナーでは明後期以降の看護衣の変遷が展示されており、時代が進むにつれファッション性や機能性が重視されるようになったことが分かる。

特別展は4月12日まで。開館時間は9時30分から16時30分(入館は16時まで)。月・火曜日は休館。京大生は無料。

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