梅里雪山 人と織り成す聖地の魅力 元山岳部・小林尚礼氏が講演(2015.01.16)

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「雲南の山と自然特別講演会が、時計台百周年記念館で1月4日に開かれた。本講演会は、同館の京大サロンで現在開催中(1月26日まで)の写真展「雲南の山と自然」を記念して、関係者を講師に招いて行っているもの(本紙2014年12月16日号参照)。昨年12月から4回にわたって計画されており、今回が3回目の開催となる。元京大山岳部で写真家の小林尚礼氏が「雲南の最高峰・梅里雪山 その自然と聖地の魅力」と題して講演をした。

小林氏と梅里雪山との関わりは1991年まで遡る。1990年末から行われていた日本と中国の合同山岳隊による梅里雪山登山の途中、1991年1月3日から4日にかけて隊員17名全員が消息を絶った。隊員には小林氏と同期の山岳部員もおり、大きな衝撃を受けた。幾年か経て、彼らが飲み込まれてしまった氷河から、遺体や遺品が次々に出てくるようになる。それらの収拾作業を中心となって進めてきた小林氏は、この山に通ってきて15年以上を経た。現在も遺体捜索活動を進めつつ、写真家として「人間の背後にある自然」をテーマに周辺地域の写真を撮り続けている。

小林氏は、梅里雪山の魅力を、チベット民族らにとっての聖地という観点から語った。梅里雪山周辺には全長300キロを超える巡礼路があり、信仰深い人々が踏破するのだという。小林氏はその巡礼路を回る中で、巡礼路から先には人間と神の領域が定められていることを知った。1996年の登山隊を主導して登頂を目指したこともある小林氏だが、「梅里雪山は聖地であって、決して人が登ってはいけないということをよく理解することになった」と話す。それから小林氏は、梅里雪山と人間が織り成すスケールの大きな関係に気づき、ますますこの山のとりこになったのだという。

「聖地としての梅里雪山は現在も変わらずに現地の住民の意識にある」と小林氏は話す。それは、2003年に梅里雪山周辺の村は世界遺産に登録されたことや、ホテルが多く建設され、自動車用道路が整備されるなど環境が大きく変わってきた今もそうだという。

最後に小林氏は、住民が捧げる聖山への祈りについて触れた。「非常に熱心に祈る村人へ敬意を払うとともに、祈りの持つとてつもない力に迫りたい」と講演を締めくくった。会場には、梅里雪山周辺の明江村で生まれ日本で留学したエマツモさんなど関係者が多数訪れて、雄大な山と自然を観賞した。(千)

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