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若手支援へ京阪神共同 任期後の雇用確保も

2014.12.01

10月24日、京都大学、大阪大学、神戸大学が中心となって構成する「京阪神三位一体型次世代研究リーダー育成コンソーシアム」が、文部科学省の「科学技術人材育成のコンソーシアムの構築事業」に選ばれた。若手研究者の安定した雇用の確保や研究者として成長できる場の提供に、京阪神の研究機関が連携して取り組むことを目的としている。

コンソーシアム構築事業は8年間実施され、原則として最初の5年間は1つのコンソーシアムあたり年間1―3億円の補助金が出る。京阪神コンソーシアムの他にも、北海道大学、東北大学、名古屋大学の「連携型博士研究人材総合育成システムの構築」など6つのコンソーシアムが選ばれている。

京阪神コンソーシアムは京阪神三大学と関西の産業団体とで構成される。連携本部は京大に置き、総括責任者には京大の山極寿一総長が就く。

三大学は助教程度の若手研究者を募り、5年間の任期付きで雇う。任期中は、プロジェクトや教育活動、学内運営などの負担が少なく研究に専念できる場を提供する。任期後はコンソーシアム内の他の研究機関の役職を紹介するなどして、安定して研究を続けられる環境探しを手助けする。

コンソーシアムは独自に研究支援体制を作り、研究倫理や特許上の知識に関する研修といった支援をする。また、コンソーシアム内の異分野の研究者を集めた研究会やイベントなど、研究者同士が交流できる場を用意する。

研究国際部研究推進課の担当者は、コンソーシアムとして一元的な研究支援をすることで、各大学が個別で行うよりも効率的な支援ができると話す。また、京阪神には大学や研究機関が多く、かつ日常的に行き来できる位置にあるため、研究者同士の交流がしやすいという。

コンソーシアムは今年度中に研究員を公募する予定。2021年度までに合計で25人採用することを目標としている。